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2012年9月

2012年9月26日 (水)

『テーベ(テーベの東)』の日本語版の発売日が延期してるー

アークライトさんのページ。
http://www.arclight.co.jp/ag/agbg/agbg.php?code=LG-0041

気がついたら、『テーベ(テーベの東)』の日本語版の発売日が10月発売から、11月発売に延期してるー。うぉー。まあ、しょうがないよな。なんか大変なのかな。ここは気長に待とう。
(その間に何か別のゲームでも買おう。って、他のゲームを買う理由づけに利用してしまおう。)


追記:無事、テーベの東の日本語版が発売されました。僕のレビューはこちら。なお、「テーベの東」というタイトルについては、こちらにコラムを書いてます。また海外のかわいらしい「テーベ」に対するレビューの翻訳記事をこちらに掲載してます。

2012年9月24日 (月)

【ボードゲームレビュー】iPhone版ライナー・クニツィアのチグリス&ユーフラテス ★★★☆

Tigris_1

評価:★★★☆[3/4](COMとの4人プレイでの評価です)

プレイ人数:2人~4人(COM対戦有なので1人でもプレイ可。オンラインプレイも可)

プレイ時間:20分ぐらい

Appに寄せられているレビューを見て、殆んど衝動買いのように購入した。しかし、初回のプレイでは全く面白さが分からなかった。

ルールを理解し、2回、3回とプレイしていくたびに面白さが増していく快感。多くの人を虜にする理由が垣間見えた気がした。当初は★★☆☆評価だったが、★★★☆評価に上げることにした。


簡単なゲームの流れ

  1. 4種類の土地カードを手番が来たら置いていき、領土(王国)を広げる。
  2. 置いた土地カードに応じて、勝利点を獲得。
  3. 他プレイヤーのリーダー駒のある王国と接したら戦争する。
  4. 勝てば、土地カードの数に応じて勝利点を獲得する。
  5. 山札のカードがなくなったら終了。
  6. 最も勝利点が高い人が勝ち。

Tigris_2

↑プレイ中盤のゲーム画面。iPhoneだとタイルの配置がしづらい。


ゲームの総評

非常に難しいゲームだと思った。今なお難しいと思っている。最初のチュートリアルが英語だったので、十分に理解できなかったというのはある。少なくともその時は進め方しか理解できていなかった。

その後、あるサイトに出会い、非常に丁寧に解説を読むことができたので、ようやく序盤の定石などを理解することができた。結局今では、傑作ゲームだと思うようになった。


最初は、ゲームのルールについて、無理やりな印象を受けた。

  • 財宝2つ以上が1つの王国内に入ったら、どちらか一方を取得できる
  • しかしある特定の場所にある財宝は、取得において必ず優先される

とか、細かいルールが色々あるのだ。しかもそれらのルールが、「なんでそうなんだよ」とツッコミたくなるものばかり。直観的な納得感が薄いと感じた。バランス上、そうしないとだめだからそうしているに過ぎないと感じ、強い違和感を覚えたものだ。

ルールに対する違和感はそのゲームに対する評価にも強い影響を与える。一般的に(初心者にも)評価の高いゲームは、そのルールに対する違和感が少ないという面があると思う。


しかし、だ。このチグユーが、なぜこんなにも自分の中で評価が高くなったのか。
これはひとえに、内政と外交(戦争)という戦略シミュレーションの二大要素(非常に乱暴な分類だけど)、その融合度が極めて高い点にあると思うのだ。

どう高いのか。

それは土地カードを置く、というワンアクションが内政と外交の両方を同時に実行しているからだ。ここに強い魅力を感じて、だんだんと好きになってしまった。


例えば、内政を充実させたいと思ってした行為が、戦争を引き起こすきっかけになる、ということがある。この国際政治の危うさをシミュレーションしている点がすごいのだ。
「こんなことしたら、一歩間違えば戦争だぞ」というセリフが、ドラマなどでよくある。
(日本において、凄くタイムリーな話かもしれない)
このゲームにおいても、直接的な火ぶたを切る(つもり)でなくても、戦争が始まってしまう場面が出てきたりするのだ。
しかも自国と他国ではない、他国同士の戦争を引き起こすことさえ可能なのだ。


こんなどこかの国際政治の場でありそうな臨場感をボードゲームの中でシミュレートした点がめちゃくちゃすごい。
当初、無理やりさを感じた細かなルールなど小さなことに思えてくる。


結局現時点において、レベル3のCOMプレイヤーと連戦をしているのだが、勝率は5分5分といったところ。まだまだこのゲームの良さは分かっていない段階なのかな、と思う。


ちなみにユニバーサルアプリで、iPadで表示すると非常に見やすく、操作性も良好。わざわざiPad用アプリを改めて購入する必要もないので、iPadでのプレイを推奨。

2012年9月19日 (水)

『テーベの東』の日本語版が出るんだ!

一度はやってみたいと思いつつも、なかなか手に入らない『テーベの東』の日本語版が出るんだねー。

アークライトゲームズさんのページ
http://www.arclight.co.jp/ag/agbg/agbg.php?code=LG-0041

いやあ、10月が楽しみだなぁ。ぜひ欲しいなぁ。


追記:無事、テーベの東の日本語版が発売されました。僕のレビューはこちら。なお、「テーベの東」というタイトルについては、こちらにコラムを書いてます。また海外のかわいらしい「テーベ」に対するレビューの翻訳記事をこちらに掲載してます。

2012年9月18日 (火)

【ボードゲームレビュー】ローゼンケーニッヒ ★★☆☆

Rosenkonig_1


評価:★★☆☆[2/4](2人プレイでの評価です)

プレイ人数:2人専用

プレイ時間:25分ぐらい

簡単なゲームの流れ

  1. 手持ちのカードに進む方向と進む数が書かれたカードを5枚持つ。
  2. 王冠コマを手持ちカードを用いて進める。
  3. 王冠コマを進めたマスは、自分の領地となる。
  4. 1ゲーム中に4回だけ、相手の取った領地を自分のモノにできる。
  5. より広く、大きな領地を作った方が勝ち。

ゲームの総評

大きな領地を占領する、という喜び。そして相手の領地を突き崩すという喜び。占領ゲームとしてのエキスが非常にスマートに表現されたゲーム。

淡白なゲーム展開で、後半になるほど、最終的な勝敗予想の精度が高まる。しかし、カード運によっては、大逆転も十分にありえるのだ。そんな大逆転を一度経験してしまうと、このゲームの魅力にハマる、ということになるのではないだろうか。


追記(2012年10月2日)

やればやるほど、「運だよなー」と思う。すごく好きなゲームなのは変わらないけれど、なかなか思っている通りに動かせない、と特にゲーム後半に強く感じる。評価を少し下げました。でも、やっぱり好きだけど。

【ボードゲームレビュー】ねことねずみの大レース ★★★☆

Vivatopo_1


評価:★★★☆[3/4](3人プレイでの評価です)

プレイ人数:2人~4人

プレイ時間:20分ぐらい

小さな子どもでも理解できる簡単なルール。しかしそのジレンマの楽しさは大人でも夢中になれるレベル。コンポーネントも木製で優しい。大人も(こそ?)愛せる子どもの理想的なおもちゃだ。


簡単なゲームの流れ

  1. 4匹のネズミが各プレイヤーに与えられる。
  2. さいころの出目の分、4匹のうち1匹のネズミだけ動かせる。
  3. さいころには、ネコマークもあり、それが出ると猫を動かす。
  4. 最後までゴールすると大きなチーズが得られる。ネコに追いつかれるとネズミは食べられてしまう。
  5. 一番多くチーズを取った人が勝ち。

ゲームの総評

ジレンマが非常に巧妙に仕組まれている。途中の休憩所に逃げ込んだネズミは、大きなチーズは得られない。しかし、小さなチーズは得られる。大きなチーズを得るためには長い旅が必要となる。しかし長い旅を行うとネコに食べられるリスクも増大する。


結局は、さいころの出目次第なのだが、ローリスクローリターンか、ハイリスクハイリターンかを選択させる演出が憎い。


ネズミを追いかけるネコの歩みは最初、非常に遅い。しかし二周目からすさまじいスピードで猫が追いかけてくるシステムになっている。これが見事。そのため、終盤にかけて一気にゲームが盛り上がる。この平和から危機的状況への”落差”こそが、このゲームの醍醐味なのだろうと思う。


ちなみに、(2周目に入る直前のあたりで)ねずみの棲家の前を猫が通ってしまうと、家に残っているねずみは、すべて食べられてしまうルールだ。そのため、ねこが三周目(3周目)を走ることはない。ねこが2周目に入る前に、スタートに出遅れたねずみは家を出て、一番小さなチーズを取りに行く方針を取ることになる。このように一番小さなチーズに対しても取るためのタイミングが設定されており、この辺りのルールの隙の無さも見事だと思う。


5歳の娘が非常に楽しそうにプレーできているルールの簡単さも魅力だ。

2012年9月17日 (月)

【ボードゲームレビュー】パンデミック ★★★★

Pandemic_1

評価:★★★★[4/4満点!](2人プレイでの評価です)

プレイ人数:2人~4人

プレイ時間:40分ぐらい

ボードゲームには珍しい協力型ゲーム。拡大する病原菌をプレイヤー全員で協力して特効薬を作り上げるというゲーム。何と闘っているのか不思議に思ってしまう不思議なボードゲーム。


簡単なゲームの流れ

  1. プレイヤーは世界に広まった病原菌を退治するために、世界各地を巡る。
  2. 1回の行動を終えるごとに特効薬を作る為のカードを得る。
  3. 5枚の同じ種類のカードを集めると、特効薬を作成できる。
  4. 4種類の特効薬を作り上げた時点でプレイヤー全員の勝利。
  5. 山札のカードがなくなったり、病原菌の連鎖拡大が一定数以上起きたら、プレイヤー全員の敗北。


ゲームの総評

相談をしながら最適な行動を探り合うこと自体がこのゲームの面白み。対戦ゲームではないため、プレイヤー間の相談自体がゲームの大部分を占める。同じ程度のスキルや経験を持ったプレイヤーでないと、悶々とした不満を抱えてしまうかもしれない。主に面白さを感じるのは、以下の2点だ。


1点目は、感染が連鎖的に拡大していく時の焦燥感だ。病原菌は木製のキューブを用いて表現するのだが、世界地図を示すボード上にこのキューブがたくさん埋まってくることで、否応なしに焦りを感じる。このワクワク感は、プレイヤー同士の共闘感を高めてくれる。ボードゲームなのに「この世界を救ってやるぞ!!」という熱い想いを感じさせてくれる。

2点目は、病原菌という見えない敵を、カードを引くというシステムに昇華させている点だ。このゲームは対戦ゲームではないため、戦う相手はゲームのシステム自体だ。いわゆるテレビゲームの感覚に近い。CPUが処理を行うわけではないため、実態はプレイヤー自身がCPUを演じる。感染を阻止するプレイヤーが、感染を拡大させるCPUを演じているという奇妙な仕組み。しかしその奇妙さをあまり感じさせない。これが凄い。
細かいシステムの説明は省くが、感染拡大(TVゲームならCPUのふるまいに相当)は、プレイヤーの「カードを引く」という行動によって実施される。この時プレイヤーはいいカードを引ければ、感染の拡大を最小限にすることができる。だからプレイヤーは感染を阻止するプレイヤーとしての動機を維持したままシステム側(CPU側)の行動を実施できる。テレビゲームであれば、「CPU自身が絶対に振る舞うことになる行動」をCPUのないボードゲーム上では、「プレイヤー自身が演じなければならない」という制約。しかしその制約を逆手にとって、とんでもないことを引き起こしてしまったという焦りを感じさせる演出へと昇華させている点に、このゲームのシステムの見事さがある。

敵がドラゴンや化け物であれば、その役割を主人公を演じつつ、敵役もプレイヤー自身が演じることは、きっと一種の違和感のようなものを感じると思う。しかし「目に見えない病原菌の拡大」という敵として設定したことで、その違和感は、限りなく小さくなったのではないか。違和感を感じさせない仕組みが設定により支えられており、見事だと思う。そして、違和感を感じさせないことは、ゲームに熱中させることにプラスに働いているはずだ。ややもすると協力型ゲームは、「何やってんだろ、おれたち」のような冷めた思いになりかねない。それを上手く回避していると思う。

2012年9月16日 (日)

【ボードゲームレビュー】カルカソンヌ ★★★★

ボードゲームレビュー一覧

Carcassonne_1

評価:★★★★[4/4](2人プレイでの評価です)

プレイ人数:2人~5人

プレイ時間:30分ぐらい

 

初めて買ったボードゲーム。
これは、凄いゲーム。土地がどんどん増えていく、開拓されていく。この喜びは、本能的なものだ。プレイするたびに全く新しい土地が完成する。これもロマンあふれる特徴だ。

簡単なゲームの流れ

  1. 山札から1枚ずつ土地タイルカードを取って、土地を描いていく。
  2. 土地に描かれた都市や道路にコマを置いて占領する
  3. 占領した都市や道路を完成させて勝利点を取得する
  4. 山札のカードがなくなったら終了
  5. 最後の得点計算後、最も勝利点が高い人が勝ち

ゲームの総評

このゲームの魅力は、以下の2点だと思っている。

1つ目は、各プレイヤー得点を示すのに、得点ボードという一枚のボードを使う点だ。

Carcassonne_point_board


このボードにコマを置いて、勝利点を取得するたびにコマを進めて勝利点を示す。勝利点の蓄積が、駒をコツコツコツと進める音により感覚的に得ることができる。

特に、最後の得点計算は爽快だ。
プレイ途中にも勝利点は入るのだが、全ての土地タイルがなくなった最後の得点計算でも、プレイヤーは多くの点数を加算する。このときコマを大きく進めることで、積みかさねた実績を一気に得られるコツコツコツ、とコマを大躍進させて進めていくその音が、達成感を演出する。

慣れてしまえば、最終的に自分が何点になるか、いちいちコマを進めなくても分かる。将棋で言えば、王将を取るような「詰め」までやらない、プロ棋士のスタイルとは真逆なものだ。しかしこの最後の儀式は「お遊び」のカルカソンヌに欠かせない。プレイの最後を締めくくるに相応しい儀式だ。


2つ目の魅力が、ランダム要素の仕組みが美しく昇華されている点だ。

これは、プレイするたびに作り上げる地形が変わっていく、つまり毎回新鮮なプレイが楽しめる、というランダム要素。そして、完全に戦略だけでなく、カード運により勝利がどちらに転ぶか分からないという運の要素。この2つが非常にキレイに組み合わさっている。どちらも土地タイルという1つのアイテムに集約されている点が美しい。特に、"適度に"運によって勝利がどちらかに転ぶという点は、ボードゲーム経験の少ない身としては非常に良い印象を持った。

最初にボードゲームにハマるきっかけを与えてくれたゲームだ。自分には今後もずっと特別なゲームであり続けるだろう。

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