【ボードゲームレビュー】iPhone版ライナー・クニツィアのチグリス&ユーフラテス ★★★☆
評価:★★★☆[3/4](COMとの4人プレイでの評価です)
プレイ人数:2人~4人(COM対戦有なので1人でもプレイ可。オンラインプレイも可)
プレイ時間:20分ぐらい
Appに寄せられているレビューを見て、殆んど衝動買いのように購入した。しかし、初回のプレイでは全く面白さが分からなかった。
ルールを理解し、2回、3回とプレイしていくたびに面白さが増していく快感。多くの人を虜にする理由が垣間見えた気がした。当初は★★☆☆評価だったが、★★★☆評価に上げることにした。
簡単なゲームの流れ
- 4種類の土地カードを手番が来たら置いていき、領土(王国)を広げる。
- 置いた土地カードに応じて、勝利点を獲得。
- 他プレイヤーのリーダー駒のある王国と接したら戦争する。
- 勝てば、土地カードの数に応じて勝利点を獲得する。
- 山札のカードがなくなったら終了。
- 最も勝利点が高い人が勝ち。
↑プレイ中盤のゲーム画面。iPhoneだとタイルの配置がしづらい。
ゲームの総評
非常に難しいゲームだと思った。今なお難しいと思っている。最初のチュートリアルが英語だったので、十分に理解できなかったというのはある。少なくともその時は進め方しか理解できていなかった。
その後、あるサイトに出会い、非常に丁寧に解説を読むことができたので、ようやく序盤の定石などを理解することができた。結局今では、傑作ゲームだと思うようになった。
最初は、ゲームのルールについて、無理やりな印象を受けた。
- 財宝2つ以上が1つの王国内に入ったら、どちらか一方を取得できる
- しかしある特定の場所にある財宝は、取得において必ず優先される
とか、細かいルールが色々あるのだ。しかもそれらのルールが、「なんでそうなんだよ」とツッコミたくなるものばかり。直観的な納得感が薄いと感じた。バランス上、そうしないとだめだからそうしているに過ぎないと感じ、強い違和感を覚えたものだ。
ルールに対する違和感はそのゲームに対する評価にも強い影響を与える。一般的に(初心者にも)評価の高いゲームは、そのルールに対する違和感が少ないという面があると思う。
しかし、だ。このチグユーが、なぜこんなにも自分の中で評価が高くなったのか。
これはひとえに、内政と外交(戦争)という戦略シミュレーションの二大要素(非常に乱暴な分類だけど)、その融合度が極めて高い点にあると思うのだ。
どう高いのか。
それは土地カードを置く、というワンアクションが内政と外交の両方を同時に実行しているからだ。ここに強い魅力を感じて、だんだんと好きになってしまった。
例えば、内政を充実させたいと思ってした行為が、戦争を引き起こすきっかけになる、ということがある。この国際政治の危うさをシミュレーションしている点がすごいのだ。
「こんなことしたら、一歩間違えば戦争だぞ」というセリフが、ドラマなどでよくある。
(日本において、凄くタイムリーな話かもしれない)
このゲームにおいても、直接的な火ぶたを切る(つもり)でなくても、戦争が始まってしまう場面が出てきたりするのだ。
しかも自国と他国ではない、他国同士の戦争を引き起こすことさえ可能なのだ。
こんなどこかの国際政治の場でありそうな臨場感をボードゲームの中でシミュレートした点がめちゃくちゃすごい。
当初、無理やりさを感じた細かなルールなど小さなことに思えてくる。
結局現時点において、レベル3のCOMプレイヤーと連戦をしているのだが、勝率は5分5分といったところ。まだまだこのゲームの良さは分かっていない段階なのかな、と思う。
ちなみにユニバーサルアプリで、iPadで表示すると非常に見やすく、操作性も良好。わざわざiPad用アプリを改めて購入する必要もないので、iPadでのプレイを推奨。
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