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2012年10月27日 (土)

【海外レビュー翻訳】200戦してドミニオンについて思うこと

海外のボードゲームサイトBGGを見ていて、見つけたレビューの翻訳です。自分は、最近ようやくドミニオンを購入してプレイしました。やっぱり面白いな、と思うと同時に、システムに感心しました。くるくると回転するデッキは、何かを生産する『ものづくり』的な喜びがあります、そっと何かを大事に温めるような。
このレビューは、いっぱいドミニオンをやりすぎて、その欠点にもちゃんと注目しているのが、なかなか良いです。一つの記事に長所と短所が明確に分けて記載されているレビュー記事というのは貴重かなと思います。
なお、自分のドミニオンレビューは執筆中です。

原文は、こちら"Dominion after 200 plays"。

では、以下レビュー本文記事です。誤りなどあったら教えてください。(結構あると思うので)


200戦してドミニオンについて思うこと

今年(訳注:2008年)のエッセンで一番話題になったのは、ドミニオンだ。クールな奴らは、みんなこれをプレイしている。ふつう、こういうゲームは、ゲーム界におけるお前らのような特にクールなエリートどもだけのものなんだ。分かってるだろうけど、お前らってのは、ドイツのビザスタンプとエッセンのギークリストを持って、「ダックディーラー(訳注※1)」や「ル・アーブル」を隠し持ちながら、バトルスター・ギャラクティカのNumbe6(訳注※2)を見せびらしてるような奴らだ。けれど、ドミニオンは違った。これは発売とほぼ同時にBSW(訳注※3)で遊べるようになった。クールになるための壁が低くなって、みんながクールになった。オーケー、実際はそうじゃない。俺らはまだクールじゃない。けれど、流行に敏感な最新のファッションを身にまとったゲーマーだと、少なくとも自分をごまかす程度には、ドミニオンをプレイできた。

※1・・・SF世界を舞台にした交易系のボードゲーム。日本語での詳細なレビューを見つけたので、こちら

※2・・・アメリカのSFテレビドラマ「バトルスター・ギャラクティカ」に登場する女性キャラクター。イメージはこちら

※3・・・ボードゲームをインターネットのオンライン上で遊ぶポータルサイト

それで、俺も最近、ドミニオンをかなりプレイした。BSWで多くやったけど、実際に何人かクールな奴らが知り合いにいたから、何回かは対面でもやってる。実際、200戦、いやもっとかな、プレイしたよ。プレイ回数でその次に来るのは「ケイラス」だけど、それもたったの83回だから、すげえプレイしたってこと。だから、少なくとも、このゲームについては、興味深い何かを語るのに十分プレイしたって言えるんじゃないかな、多分。



1.良い所。というか俺が気に入ったところ

○革新的な仕組みで作られている

このゲームは、デッキ構築が全てなんだ。デッキ構築ってのは、ゲームをプレイする前に準備としてするもんだ。まあ、ミニチュアに色を塗ったり、点数トークンを切り抜いたりするのと違わない。なんにせよ、このコンセプトは俺には新鮮だった。そしてユーロゲームの好きの多くにとってもそうだったろう。ただ、マジックザギャザリングが好きなら慣れ親しんだものなんだろうな。「マジック~」のデッキを構築するってのは、かなりスキルが必要だと聞いていたから、そんなゲームを作るなんて全く想像できなかった。思うに、ここがこのゲームのユニークなところなんだ。だからこの洗練された解釈のゲームデザインで、ドナルド(訳注※4)は栄光を手にした。このゲームのコンセプトがいかにユニークかってのを分かりやすく言うなら、来年にウォーハンマー(訳注※5)のフィギュアに色を塗るコンセプトのゲームが出るってのを想像してもらえればいいだろう。

※4・・・ドナルド・ヴァッカリーノ。ドミニオンのゲームデザイナー。

※5・・・ミニチュアの駒を使ったファンタジー世界を舞台にしたアナログゲーム。ミニチュアゲームとしては最も有名なものの1つ。

○ゲームデザインに忠実である

ドミニオンは、レースフォーザギャラクシーでもできなかったことをやり遂げた。つまり、自らのゲームデザインに忠実であり続けるってことだ。ドミニオンはカードゲームだ。だから必要なのはカードだけなんだ。財宝もカード、勝利点もカード、呪いでさえカード。ゲームのシンプルさからこれ以上何も取り除く余計なものが全くない。これは素晴らしく純粋なデザインになっているんだ。

○何回でもプレイしたくなる

ドミニオンでは、25種類の王国カードがある。けれど、1回のプレイで使うのはその中の10種類だけ。だから、まず同じようなゲーム展開にはならない。完全にこのゲーム遊び尽くすには、287,502,394,802回(訳注※6)はプレイしないといけない。でも、がんばってそんなに何回もプレイしても、どうやら、ドナルドはすでに500枚くらい新しいカードを作っているみたいだけどな。

※6・・・なぜこの数字になったのかよく分からない。ちなみに25種類の中から10種類を選んだとき(25C10)の組み合わせ数は、3,268,760。

○ダウンタイムがなく、速い

このゲームは、全てのカードのコンボを実際出すことができるくらいの時間しかかからない。BSWでは、だいたい慣れたプレイヤーであれば、4分ぐらいで終わる。実際にカードを使ってプレイする場合であれば、シャッフルが多いとは言え、それでもかなり早い方で、20分ぐらいだろう。空き時間を埋めるものとして実にいい戦略ゲームがプレイできるってことだ。おそらく、プレイ時間が短いってことよりも、各ターンが短いってことの方が重要な点だ。それはつまり、他のゲームができる程の熟考によるダウンタイムがほとんどないってことだ。

○2~4人のどの人数もちゃんとカバーしてる

その範囲の人数ならどんな人数でもいい感じにプレイできるんだ。戦略はいくらか変わるかもしれないし、一部のカードは重要度が増すけれど、2人でプレイしても4人でやってあまり変わらないんだ。

○長い時間を投資しなくてもいい

レースフォーザギャラクシーのようなゲームと違って、上達するのに長い時間を投資する必要がないんだ。そう、多少カードの価値とかパワフルなコンボの力を判断する経験を積めば、うまくなっていく学習曲線になってる。だから、何百ものカードを覚えたりしなくていいし、計画に必要なたった1枚のカードが手元にくる確率を計算したりする必要もない。向き合うべきものが、全て目の前にあるんだ。

ランダムに選ばれたセットを最初に分析する。これはアグリコラの手札分析に似て、大体、初めて見る10枚の王国カードセットに向き合うことになる。ゲームの最初は、このセットを分析して、初期の戦略を組み立てることだ。俺にとって、この部分がゲームで最も面白い部分だ。そしてこのゲームの戦略的な2つのポイントのうちの1つがここだ。Alexfrogが投稿した見事な記事が"http://bgg.cc/thread/354729"にある。この記事は何回か読む価値がある。

カード購入の戦術的な決断。けれど、その時点での手札の構成で、各ターンでできることは限られてくる。最初、アクションカードを出すことはできず、次第に少しずつ出せるようになる。けれど、アクションの順番はかなり決まってくる。例えば、「村」を最初に出してから、「鍛冶屋」を出す、とかね。どのアクションカードも一度使ってみれば、自分の取る戦略に最適なカードを大抵購入するようになるだろう。プレイすればするほど、決断の面白みは減っていく。だって、自分の戦略にとっての「最適解」というのが大体あるからね。例えば、6コインあったら、たいていは金貨を買おうとする(「冒険者」や「盗賊」のカードがある場合を除くけど)。

勝利点ラッシュを仕掛けるタイミング。このゲームにおける2つ目の戦略的なポイントが、いつ手札の構築を止めて、勝利点を稼ぎ始めるか、その絶妙なタイミングを見極めることだ。これが大事なんだ。というのも、勝利点を稼ぎ始めると、せっかく作った回転が良くて、財宝が多く詰まったデッキが、あの緑色の勝利点カードのせいで、ふんづまっていくんだ。そうすると、ゲームが終盤に近付くにつれて、だんだんと高いカードを買うのが難しくなってくる。勝利点を稼ぐのが早すぎて、いいデッキを作っても、勝利に必要な高価なカードをパスするしかなくなる。そうして手札を作っているときの勢いをそのままにゲームを終わらせることができない。そんな対戦相手から勝利をもぎとったことが何回かある。こういうタイプの勝利はスリリングだけど、経験を積んだ相手であれば、こういうことは少ない。


まあ、公平な俺のドミニオン観としては、すべてがバラ色ってわけじゃない。100戦ぐらいしたら、若干、嫌になるところもあるし、不公平な感じの部分にも気づき始めるんだ。


2.悪い所

×考えずにプレイするようになる

このゲームは、メールチェックしながらプレイできる(だから、自分のターンが来ると大きくディンドンと音が鳴るBSWでプレイするのが好きだ)。アクションカードを出す。銀貨か金貨を買う。もしくは祝祭や市場を買う。余裕があれば何か他のを買う。俺がさっき言った「カード購入の戦術的な決断」というのは、もはや全く面白いものじゃなくなってる。俺にとって今やこのゲームは、いかにして早くカードを手に取るか、ってことになってる。あのアクションカードとこのカードと、どちらを選ぼうか、なんてことはほとんどない。もはや選択は、アクションカードを出すときもカード購入も自動的に行うほどに自明なものになっている。俺の例で言えば、最初のターンに銀貨を買って、2ターン目に俺の戦略で使う4コストのカード(「鍛冶屋」か「民兵」)を買う。3ターン目には、金貨を買えるような手札になるのを祈るってな感じだ。

×結局、運による

俺が見つけた最も残念な点は、だいたい同じようなスキルをもったプレイヤー間では、カードの引き運によって勝負が決することが多いってことだ。早く手札に6コイン来たやつが、金貨を獲れて、それがさらに金貨を獲って、そうしてさらにさらに金貨を獲って・・・、それで圧倒的な勝利を手にする。仲間内でやってると、だいたい90%ぐらいが最初に金貨を獲ったやつが勝ってるってことに気が付いた。だから5ターンまでに、立て続けに金貨を2枚買えたプレイヤーがいたら、他はもうその勝負では勝てない、と俺たちは言っている。こうした不利を挽回するには、盗賊が運よくその効果を発揮するような場合しかない(けれど、純粋な盗賊戦略でも、2人プレイで早いターンで金貨が来てしまったら、うまくいかない)。そうでなければ、トップに立ったプレイヤーがカード集めに時間をかけすぎてしまったり、ゲームを終わらせるタイミングを外すような場合ぐらいしか、挽回できない。しかし同じようなスキルを持ったプレイヤー同士では、こんなことも滅多に起きなくなる。

しばらくは、プレイするのがかなり楽しいはずだ。いろいろとやり方が分かってくると、そのメッキは剥がれてくる。深い戦略のゲームであるってことは、うまいプレイヤーが勝つってことだ。けれど、優れたプレイヤーになるためのハードルは、そんなに高くない。特定の過ちを回避するようになれば(「村」カードを過剰に評価するとかさ)、平均的なプレイヤーに安定して勝てるようになるだろう。けれども、うまいプレイヤー同士では、数回のラッキーな手札によって、けっこう勝負が決まってしまう。

分かってる。デッキ構築の技術ってのは、自分の手札の勝算を最大化することだ。けれど不幸にも他のプレイヤーの引きが良かったら、最初の手札をある程度変えていく機会さえ得る前に、完全に勝負をつけられてしまう。

レースフォーザギャラクシーでも運というのはある。けれど、この「レース~」では、単にランダムなものの被害者になるってのとは違って、そうしたランダムなイベントに適応していくというものなんだ。アグリコラなんかも同じだ。運というものが最初にやってきて、それから自分の戦略を適合させていく。ドミニオンではそうじゃない。礼拝堂を買ったからといって、廃棄すべきカードが同じ手札に来るわけじゃない、うまくいくとは限らないんだ。

×合間のシャッフルが多い

最後に挙げる悪い部分ってのは、やたらとやらなきゃならないシャッフルの多さについてだ。そのシャッフルの多さたるや、シャッフルの技術やシャッフルの種類について議論するスレッドが数十個は立つくらいだ。カードスリーブの評価やあげくにはカードが悪くなった時に備えて保存用を買うのを薦めたりって、おいおい、ほんとにそこまでやる?


3.結論

ドミニオンは、偉大で、革命的なゲームだ。こんな乱戦状態のゲーム市場で、まだまだ新しいものを作る余地があるってことを示した。ドミニオンは、その仕組みや、見事なゲームデザイン、短いのに刺激的なゲームプレイといった点で実に突出している。短い時間でプレイできるから、気楽にオンラインでこれからもプレイするだろう。そしてもし誰かが対面で直接これをプレイしようとしてたら、1337ある俺のスキル(礼拝堂-書庫デッキ!みたいな)を披露するために、参加しちゃうかもしれない。

けれど、それほど戻ってきたいとは思わないゲームなんだ、アグリコラやスルージエイジズのようには。そしてあえて言わせてもらうと、レースフォーザギャラクシーのようには。

だけど、俺はこのゲームの持つ可能性はすごく気に入ってる。こうした「自分の文明を構築していくと、ポイント獲得が減速していく」的仕組みが将来、より戦略的な深さを増して採用されることを期待してる。

俺の最初の評価は10点に近い9.5点だった。けれど、今は、この評価を9点まで下げたい。9点、まあ、いいだろ?

追記1:

プレイヤー間の絡みに俺が関心を示してないことについて、誰もコメントしてなくて驚いてる。ドミニオンはレースゲームだ。だから、大量の絡みがないことには驚かない。反対意見もあるかもしれないけど、俺にとっては必ずしもプレイヤー間の絡みが必要じゃあないし、ゲームについての俺の考え方に関係するものでもないんだ。

追記2:

俺の論点を違った観点から言い換えている良いレビューがあった。少しだけ引用する。

より重要なのは、両方のゲームとも、5枚のカードが配られて、記憶か直観の優先順位に基づいて、直接購入するものを決定するという点だ。フィードバックは、速く、直接的だ。両方とも、短いし、難しくない。基本的な戦略を知っているプレイヤーにとっては、いい気分になって、中毒的になる。ある段階で、どちらのゲームのプレイヤーも、負債をカットしたり、ピークを見極めたりして、いつ清算するかを決める必要がある。この決断は、両方のゲームで同じタイプの"要素"に基づいている。ここでいう"要素"というのは1つじゃなくて、複数の要素なんだ。(訳注※7)

※7・・・引用元のレビュー記事は、こちらのページ

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