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2012年10月

2012年10月28日 (日)

う、うげぇー、「テーベ(テーベの東)」日本語版が更に延期してるー!

池波正太郎風に驚いたけど、残念だ。テーベ(テーベの東)の日本語版が更に2013年1月まで、発売予定が延期している。



うーむ。残念だ。年末はWiiUでもやって気長に待つか。

追記:無事、テーベの東の日本語版が発売されました。僕のレビューはこちら。なお、「テーベの東」というタイトルについては、こちらにコラムを書いてます。また海外のかわいらしい「テーベ」に対するレビューの翻訳記事をこちらに掲載してます。



2012年10月27日 (土)

【海外レビュー翻訳】200戦してドミニオンについて思うこと

海外のボードゲームサイトBGGを見ていて、見つけたレビューの翻訳です。自分は、最近ようやくドミニオンを購入してプレイしました。やっぱり面白いな、と思うと同時に、システムに感心しました。くるくると回転するデッキは、何かを生産する『ものづくり』的な喜びがあります、そっと何かを大事に温めるような。
このレビューは、いっぱいドミニオンをやりすぎて、その欠点にもちゃんと注目しているのが、なかなか良いです。一つの記事に長所と短所が明確に分けて記載されているレビュー記事というのは貴重かなと思います。
なお、自分のドミニオンレビューは執筆中です。

原文は、こちら"Dominion after 200 plays"。

では、以下レビュー本文記事です。誤りなどあったら教えてください。(結構あると思うので)


200戦してドミニオンについて思うこと

今年(訳注:2008年)のエッセンで一番話題になったのは、ドミニオンだ。クールな奴らは、みんなこれをプレイしている。ふつう、こういうゲームは、ゲーム界におけるお前らのような特にクールなエリートどもだけのものなんだ。分かってるだろうけど、お前らってのは、ドイツのビザスタンプとエッセンのギークリストを持って、「ダックディーラー(訳注※1)」や「ル・アーブル」を隠し持ちながら、バトルスター・ギャラクティカのNumbe6(訳注※2)を見せびらしてるような奴らだ。けれど、ドミニオンは違った。これは発売とほぼ同時にBSW(訳注※3)で遊べるようになった。クールになるための壁が低くなって、みんながクールになった。オーケー、実際はそうじゃない。俺らはまだクールじゃない。けれど、流行に敏感な最新のファッションを身にまとったゲーマーだと、少なくとも自分をごまかす程度には、ドミニオンをプレイできた。

※1・・・SF世界を舞台にした交易系のボードゲーム。日本語での詳細なレビューを見つけたので、こちら

※2・・・アメリカのSFテレビドラマ「バトルスター・ギャラクティカ」に登場する女性キャラクター。イメージはこちら

※3・・・ボードゲームをインターネットのオンライン上で遊ぶポータルサイト

それで、俺も最近、ドミニオンをかなりプレイした。BSWで多くやったけど、実際に何人かクールな奴らが知り合いにいたから、何回かは対面でもやってる。実際、200戦、いやもっとかな、プレイしたよ。プレイ回数でその次に来るのは「ケイラス」だけど、それもたったの83回だから、すげえプレイしたってこと。だから、少なくとも、このゲームについては、興味深い何かを語るのに十分プレイしたって言えるんじゃないかな、多分。



1.良い所。というか俺が気に入ったところ

○革新的な仕組みで作られている

このゲームは、デッキ構築が全てなんだ。デッキ構築ってのは、ゲームをプレイする前に準備としてするもんだ。まあ、ミニチュアに色を塗ったり、点数トークンを切り抜いたりするのと違わない。なんにせよ、このコンセプトは俺には新鮮だった。そしてユーロゲームの好きの多くにとってもそうだったろう。ただ、マジックザギャザリングが好きなら慣れ親しんだものなんだろうな。「マジック~」のデッキを構築するってのは、かなりスキルが必要だと聞いていたから、そんなゲームを作るなんて全く想像できなかった。思うに、ここがこのゲームのユニークなところなんだ。だからこの洗練された解釈のゲームデザインで、ドナルド(訳注※4)は栄光を手にした。このゲームのコンセプトがいかにユニークかってのを分かりやすく言うなら、来年にウォーハンマー(訳注※5)のフィギュアに色を塗るコンセプトのゲームが出るってのを想像してもらえればいいだろう。

※4・・・ドナルド・ヴァッカリーノ。ドミニオンのゲームデザイナー。

※5・・・ミニチュアの駒を使ったファンタジー世界を舞台にしたアナログゲーム。ミニチュアゲームとしては最も有名なものの1つ。

○ゲームデザインに忠実である

ドミニオンは、レースフォーザギャラクシーでもできなかったことをやり遂げた。つまり、自らのゲームデザインに忠実であり続けるってことだ。ドミニオンはカードゲームだ。だから必要なのはカードだけなんだ。財宝もカード、勝利点もカード、呪いでさえカード。ゲームのシンプルさからこれ以上何も取り除く余計なものが全くない。これは素晴らしく純粋なデザインになっているんだ。

○何回でもプレイしたくなる

ドミニオンでは、25種類の王国カードがある。けれど、1回のプレイで使うのはその中の10種類だけ。だから、まず同じようなゲーム展開にはならない。完全にこのゲーム遊び尽くすには、287,502,394,802回(訳注※6)はプレイしないといけない。でも、がんばってそんなに何回もプレイしても、どうやら、ドナルドはすでに500枚くらい新しいカードを作っているみたいだけどな。

※6・・・なぜこの数字になったのかよく分からない。ちなみに25種類の中から10種類を選んだとき(25C10)の組み合わせ数は、3,268,760。

○ダウンタイムがなく、速い

このゲームは、全てのカードのコンボを実際出すことができるくらいの時間しかかからない。BSWでは、だいたい慣れたプレイヤーであれば、4分ぐらいで終わる。実際にカードを使ってプレイする場合であれば、シャッフルが多いとは言え、それでもかなり早い方で、20分ぐらいだろう。空き時間を埋めるものとして実にいい戦略ゲームがプレイできるってことだ。おそらく、プレイ時間が短いってことよりも、各ターンが短いってことの方が重要な点だ。それはつまり、他のゲームができる程の熟考によるダウンタイムがほとんどないってことだ。

○2~4人のどの人数もちゃんとカバーしてる

その範囲の人数ならどんな人数でもいい感じにプレイできるんだ。戦略はいくらか変わるかもしれないし、一部のカードは重要度が増すけれど、2人でプレイしても4人でやってあまり変わらないんだ。

○長い時間を投資しなくてもいい

レースフォーザギャラクシーのようなゲームと違って、上達するのに長い時間を投資する必要がないんだ。そう、多少カードの価値とかパワフルなコンボの力を判断する経験を積めば、うまくなっていく学習曲線になってる。だから、何百ものカードを覚えたりしなくていいし、計画に必要なたった1枚のカードが手元にくる確率を計算したりする必要もない。向き合うべきものが、全て目の前にあるんだ。

ランダムに選ばれたセットを最初に分析する。これはアグリコラの手札分析に似て、大体、初めて見る10枚の王国カードセットに向き合うことになる。ゲームの最初は、このセットを分析して、初期の戦略を組み立てることだ。俺にとって、この部分がゲームで最も面白い部分だ。そしてこのゲームの戦略的な2つのポイントのうちの1つがここだ。Alexfrogが投稿した見事な記事が"http://bgg.cc/thread/354729"にある。この記事は何回か読む価値がある。

カード購入の戦術的な決断。けれど、その時点での手札の構成で、各ターンでできることは限られてくる。最初、アクションカードを出すことはできず、次第に少しずつ出せるようになる。けれど、アクションの順番はかなり決まってくる。例えば、「村」を最初に出してから、「鍛冶屋」を出す、とかね。どのアクションカードも一度使ってみれば、自分の取る戦略に最適なカードを大抵購入するようになるだろう。プレイすればするほど、決断の面白みは減っていく。だって、自分の戦略にとっての「最適解」というのが大体あるからね。例えば、6コインあったら、たいていは金貨を買おうとする(「冒険者」や「盗賊」のカードがある場合を除くけど)。

勝利点ラッシュを仕掛けるタイミング。このゲームにおける2つ目の戦略的なポイントが、いつ手札の構築を止めて、勝利点を稼ぎ始めるか、その絶妙なタイミングを見極めることだ。これが大事なんだ。というのも、勝利点を稼ぎ始めると、せっかく作った回転が良くて、財宝が多く詰まったデッキが、あの緑色の勝利点カードのせいで、ふんづまっていくんだ。そうすると、ゲームが終盤に近付くにつれて、だんだんと高いカードを買うのが難しくなってくる。勝利点を稼ぐのが早すぎて、いいデッキを作っても、勝利に必要な高価なカードをパスするしかなくなる。そうして手札を作っているときの勢いをそのままにゲームを終わらせることができない。そんな対戦相手から勝利をもぎとったことが何回かある。こういうタイプの勝利はスリリングだけど、経験を積んだ相手であれば、こういうことは少ない。


まあ、公平な俺のドミニオン観としては、すべてがバラ色ってわけじゃない。100戦ぐらいしたら、若干、嫌になるところもあるし、不公平な感じの部分にも気づき始めるんだ。


2.悪い所

×考えずにプレイするようになる

このゲームは、メールチェックしながらプレイできる(だから、自分のターンが来ると大きくディンドンと音が鳴るBSWでプレイするのが好きだ)。アクションカードを出す。銀貨か金貨を買う。もしくは祝祭や市場を買う。余裕があれば何か他のを買う。俺がさっき言った「カード購入の戦術的な決断」というのは、もはや全く面白いものじゃなくなってる。俺にとって今やこのゲームは、いかにして早くカードを手に取るか、ってことになってる。あのアクションカードとこのカードと、どちらを選ぼうか、なんてことはほとんどない。もはや選択は、アクションカードを出すときもカード購入も自動的に行うほどに自明なものになっている。俺の例で言えば、最初のターンに銀貨を買って、2ターン目に俺の戦略で使う4コストのカード(「鍛冶屋」か「民兵」)を買う。3ターン目には、金貨を買えるような手札になるのを祈るってな感じだ。

×結局、運による

俺が見つけた最も残念な点は、だいたい同じようなスキルをもったプレイヤー間では、カードの引き運によって勝負が決することが多いってことだ。早く手札に6コイン来たやつが、金貨を獲れて、それがさらに金貨を獲って、そうしてさらにさらに金貨を獲って・・・、それで圧倒的な勝利を手にする。仲間内でやってると、だいたい90%ぐらいが最初に金貨を獲ったやつが勝ってるってことに気が付いた。だから5ターンまでに、立て続けに金貨を2枚買えたプレイヤーがいたら、他はもうその勝負では勝てない、と俺たちは言っている。こうした不利を挽回するには、盗賊が運よくその効果を発揮するような場合しかない(けれど、純粋な盗賊戦略でも、2人プレイで早いターンで金貨が来てしまったら、うまくいかない)。そうでなければ、トップに立ったプレイヤーがカード集めに時間をかけすぎてしまったり、ゲームを終わらせるタイミングを外すような場合ぐらいしか、挽回できない。しかし同じようなスキルを持ったプレイヤー同士では、こんなことも滅多に起きなくなる。

しばらくは、プレイするのがかなり楽しいはずだ。いろいろとやり方が分かってくると、そのメッキは剥がれてくる。深い戦略のゲームであるってことは、うまいプレイヤーが勝つってことだ。けれど、優れたプレイヤーになるためのハードルは、そんなに高くない。特定の過ちを回避するようになれば(「村」カードを過剰に評価するとかさ)、平均的なプレイヤーに安定して勝てるようになるだろう。けれども、うまいプレイヤー同士では、数回のラッキーな手札によって、けっこう勝負が決まってしまう。

分かってる。デッキ構築の技術ってのは、自分の手札の勝算を最大化することだ。けれど不幸にも他のプレイヤーの引きが良かったら、最初の手札をある程度変えていく機会さえ得る前に、完全に勝負をつけられてしまう。

レースフォーザギャラクシーでも運というのはある。けれど、この「レース~」では、単にランダムなものの被害者になるってのとは違って、そうしたランダムなイベントに適応していくというものなんだ。アグリコラなんかも同じだ。運というものが最初にやってきて、それから自分の戦略を適合させていく。ドミニオンではそうじゃない。礼拝堂を買ったからといって、廃棄すべきカードが同じ手札に来るわけじゃない、うまくいくとは限らないんだ。

×合間のシャッフルが多い

最後に挙げる悪い部分ってのは、やたらとやらなきゃならないシャッフルの多さについてだ。そのシャッフルの多さたるや、シャッフルの技術やシャッフルの種類について議論するスレッドが数十個は立つくらいだ。カードスリーブの評価やあげくにはカードが悪くなった時に備えて保存用を買うのを薦めたりって、おいおい、ほんとにそこまでやる?


3.結論

ドミニオンは、偉大で、革命的なゲームだ。こんな乱戦状態のゲーム市場で、まだまだ新しいものを作る余地があるってことを示した。ドミニオンは、その仕組みや、見事なゲームデザイン、短いのに刺激的なゲームプレイといった点で実に突出している。短い時間でプレイできるから、気楽にオンラインでこれからもプレイするだろう。そしてもし誰かが対面で直接これをプレイしようとしてたら、1337ある俺のスキル(礼拝堂-書庫デッキ!みたいな)を披露するために、参加しちゃうかもしれない。

けれど、それほど戻ってきたいとは思わないゲームなんだ、アグリコラやスルージエイジズのようには。そしてあえて言わせてもらうと、レースフォーザギャラクシーのようには。

だけど、俺はこのゲームの持つ可能性はすごく気に入ってる。こうした「自分の文明を構築していくと、ポイント獲得が減速していく」的仕組みが将来、より戦略的な深さを増して採用されることを期待してる。

俺の最初の評価は10点に近い9.5点だった。けれど、今は、この評価を9点まで下げたい。9点、まあ、いいだろ?

追記1:

プレイヤー間の絡みに俺が関心を示してないことについて、誰もコメントしてなくて驚いてる。ドミニオンはレースゲームだ。だから、大量の絡みがないことには驚かない。反対意見もあるかもしれないけど、俺にとっては必ずしもプレイヤー間の絡みが必要じゃあないし、ゲームについての俺の考え方に関係するものでもないんだ。

追記2:

俺の論点を違った観点から言い換えている良いレビューがあった。少しだけ引用する。

より重要なのは、両方のゲームとも、5枚のカードが配られて、記憶か直観の優先順位に基づいて、直接購入するものを決定するという点だ。フィードバックは、速く、直接的だ。両方とも、短いし、難しくない。基本的な戦略を知っているプレイヤーにとっては、いい気分になって、中毒的になる。ある段階で、どちらのゲームのプレイヤーも、負債をカットしたり、ピークを見極めたりして、いつ清算するかを決める必要がある。この決断は、両方のゲームで同じタイプの"要素"に基づいている。ここでいう"要素"というのは1つじゃなくて、複数の要素なんだ。(訳注※7)

※7・・・引用元のレビュー記事は、こちらのページ

2012年10月21日 (日)

【ボードゲームレビュー】iPad版 プエルトリコ ★★★☆

Puertorico_1


評価:★★★☆[3/4](COMとの対戦で3~4人プレイでの評価です)

プレイ人数:2人~5人

プレイ時間:25分ぐらい

値段:700円(2012年10月21日時点)


とにかく高評価なゲームだなぁ、というのがこのゲームを知った時の第一印象だった。このゲームを声高に批判しているレビューを全然見かけなかった。でもプレイヤー人数は3人以上か、なかなか買えないな。(我が家は2人プレイが多いから・・・)
そんな悩みを解消したiPad版プエルトリコ。実際にプレイしてみて思った。こ、これは、確かに凄いゲームだ。


簡単なゲームの流れ

  1. 親プレイヤーが生産や出荷や建物建設などのアクションを選択する。
  2. そのアクションを全員が実施する。
  3. 建物を建てたり、生産した農産物を出荷すると勝利点を獲得する。
  4. 工場や農場で働かせるワーカーのストックが枯渇するなどの終了条件を満たすと、ゲーム終了。
  5. 最も勝利点の高い人が勝ち。

Puertorico_2_menu

↑メニュー画面。オンライン対戦が可能なようだが、ちゃんとゲームを始められたことがない。ちゃんとマッチングできないのは、何が理由なんだろう。


ゲームの総評

Puertorico_3_initial

↑ゲーム開始直後の画面。建設アクションが選択されているところ。結構各種アイコンが細かい。こりゃあ、iPhoneではできないわ。(本ゲームはiPad専用アプリ。iPhone版が出るという噂があったようだが、2012.10.21時点ではリリースされてなさそう・・・)


とにかく、評判がいいゲームだ。このゲームを批判する人間は「わかってない!」と言われてしまいそうなほど、評判がいい。ネット上にあるルールブックと格闘しながら、このゲームを始めたが、こりゃあ確かに凄いゲームだ。どういう作り方をして、こういうゲームを作るのだろう。なんというか不思議でならない。


Puertorico_5_final

↑ゲームの最終画面。まけちゃった。結構AI賢いと思うのは自分が下手だからだと思います・・・


やはり対人でプレイしていないこと、実際にコンポーネントに触れてゲームをしていないこと、得点計算を自分でしていないこと、こういう点からこのゲームについて何か語ることが憚られてしまう。評価が満点にできないのは、その辺りのコンプレックス(?)が原因だ。正直言って、満点レベル(★★★★)のゲームだと思っている。700円というのも、Appとしては高いかもしれないが、ボードゲームのお値段と比較したら全然安い。もう20戦以上しているから十分に元は取れているかな、と思う。


iPadでの操作性は非常に良好。左下に、メッセージが出ているので、これをちゃんと見れば、操作に戸惑うことはないだろう。(でも、左下のメッセージが全然目立たないので、最初少し戸惑った)
まだまだ自分が弱いので、CPUのAIがどの程度のレベルなのか測れないけれど、結構強いと思った。いい勝負ができる。


しかし、このゲームは本当に楽しい。繰り返し繰り返し遊んでしまう。「ボードゲームジャンクション」という本で安田均氏が以下のように書いている。
『ゲームが進展して、豪快に拡大する直前に終わる』(P76)
確かにそうだ。この後引く感じが、プエルトリコというゲームに品格みたいなものを与えている。まったく燃えないテーマでありながら、ほとんどゲームのメカニクスだけでここまで人々(特にマニアな人たち)を唸らせたのだから、製作者はデザイナー冥利に尽きる、といったところだろう。


うーん、3人が集まることがほとんどないから、ボードゲーム版の「本物の」プエルトリコを買うのはためらわれるが、やっぱり欲しいなあ。そして、そんな悩みすら楽しい。

(補記:2012年11月20日)
ある日、プエルトリコのアイコンの右上に、バッジ(と言うんだっけ?)が付いた。数字の1が付いている。なんか新作の通知でも来たのか?と思って起動してみたが、よく分からない。起動した後も消えなくて、なんか気持ち悪いなあと思ったのだが、"Online"の項目を開いて、ロビーに残っている部屋を"Quit"したら、バッジも消えた。何だったんだろう。もしかしたら、以前参加しようとしたOnline部屋から通知がものすごい遅れて届いたのかもしれない。よく分からん。

2012年10月19日 (金)

【海外レビュー翻訳】なぜ僕はアグリコラよりストーンエイジの方が好きなのか?

海外のボードゲームサイトBGGを見ていて、見つけたレビューの翻訳です。それほど目新しいことを言っているレビューではありません。英語の勉強がてら、翻訳してみただけです。
ちなみに、ストーンエイジは持っていません。アグリコラを買う前に、ちょうどストーンエイジとどちらを買おうか迷っていました。そのため、このタイトルに惹かれて、読んだ次第です。(結局ストーンエイジはまだ購入してないです・・・)ストーンエイジはプレイしていないので評価できませんが、私自身、アグリコラは凄く好きです。私のアグリコラレビューはこちら


原文は、こちら"Why I prefer Stone Age to Agricola?"。


では、以下レビュー本文記事です。誤りなどあったら教えてください。(結構あると思うので)



なぜ僕はアグリコラよりストーンエイジの方が好きなのか?


最初に言っておきたいのは、このレビューは「なぜストーンエイジがアグリコラより優れているのか」ではない、ってことだ。ボードゲームデザインの客観的な基準からして、アグリコラがストーンエイジよりも優れたゲームであることは僕も認める。ただ、僕はストーンエイジで遊ぶ方が好きなんだ。それはなぜかって理由を語ろう。理由は大きくいって2つある、テーマとゲームプレイだ。


テーマ:
ストーンエイジもアグリコラも、資源を集めたり、建物を建てたり、資材を買ったり(これによって、ゲーム内でいろいろと有利になったり、勝利点が増えたりする)、労働力を増やしたり、その労働力を養ったりするゲームだ。自分の農場にあらゆるものを詰め込めるという意味において、アグリコラには、いろいろとテーマ性が強く打ち出されている。けれど、アグリコラはいくつかの点で、テーマ性について本当にイライラすることがある。


(1) ストーンエイジでは、資源がどこから来たかってことが簡単に理解できる。人が森や山などに行き、作業をして、その場所にまつわる資材を、働き手の数、作業道具、運(ダイスの目)に応じて入手する。これは、テーマ的にとてもわかりやすい。そして、資材を生むための3つの要素を関連させるやり方は、実に巧みだ。じゃあ、アグリコラはどうだろう。各ラウンドの最初に資源が現れ、人がそれを取りに出かける仕組みだ。けれど、その資源は、どこから、やってきたのだ? そして、なぜやってきたのだろう? その場しのぎの答えならいくらでも考えられるかもしれない。でも、それはストーンエイジのように、自然にゲームから出てくるものではないんだ。


(2) アグリコラでは、なんで最初から石材を集められないんだろう? 最初から子供を増やせないのはなぜ? ストーンエイジと違って、アグリコラでは、ゲームが特定の段階に進むまで、取れるアクションが制限されている。ああ、僕はこれが悪いことだって言おうしているわけじゃない。実際これは、ゲームのキーとなる仕組みだ。いつ子供を増やすことができるようになるか、そのタイミングが毎回違うから、プレイする度に変化があるんだからね。けど、それってテーマ的に理由があるわけじゃないから、僕にとってはいらいらするだけなんだ。


(3) テーマ的に考えよう。ストーンエイジの方は、いろんなアクションをするために必要となる人の数に大体納得できるんだ。でもアグリコラは違う。資源を収集するときの人数については前にも書いたことがある。だけど、子供を増やすのに必要な人数はどうだい? アグリコラでは1人でいいんだってさ! あー、君たちは、こう言うだろうね。「アグリコラで子供を持つのは、母親なんだよ。だけど、子供がいる間はゲーム内のアクションができないだろ? 父親は、資源を集めたりできるけどさ」 で、ここがポイントなんだが、アグリコラにおける時間枠というのは、とても理解しづらい。「ゲーム内時間」で1ターンというのはどれだけの長さなんだろうか? キーとなるポイントは、子供は1ターンで誕生して、そのすぐ次のターンではもう働くことができる!ってことだ。だから、1ターンは少なくとも5年ぐらいになるはずだ。けれど、これだと、ゲームのほかの部分と辻褄が合わなくなる。巡りくる収穫のサイクルは、たぶん、1年に一度だろう。これはどういう事かというと、収穫サイクルの間が3か2か1ラウンドであれば、ゲームの各ターンは、わずか4か月か6か月か12か月になる、ということだ。じゃあ、ストーンエイジの場合を考えてみよう。各ターンはおよそ5年だと考えて問題ないだろう。ゲームは5人でスタートする。かれらは思うに10歳から30歳の人間だ。このゲームはたいてい10ターンぐらいで終わる。つまり50年だ。最初からいた人間は、ゲームの最後ではとても年老いてしまう。これは、ゲーム終盤で初めての子供を作ろうとした場合に、いくつか理屈が通らなくなるが、他の点については問題ない。当たり前だけど、どちらのゲームも、1年に1回、もしくは5年に1回だけ食事を取るんだ、なんて考えさせるようにはなってないからね(食糧面は、標準的な基盤として全体でまとめられてるんだ)


だから、これらのポイントが、僕の提示したアグリコラのテーマ性という問題を要約している。ただ、ストーンエイジにおける建物と文明カードについて、いくつか言わなければならない。これらがテーマとしては、最も弱い部分だからだ。文明カードというのは実際そんな悪いものじゃない。これらは、さまざまな発展を表現している(アグリコラにおける進歩カードのように)。そして、短期的か、長期的に便益を与えてくれる。アグリコラでは、進歩によって継続的な便益に加え、直接的な勝利点をゲームの最後にもたらす。ストーンエイジでは、即時的な便益に加え、ゲーム最後の資材に応じた勝利点をもたらす。だからどちらのゲームにおいても、進歩カードに問題があるわけではない。


建物にテーマ的な意義を与えるのは、結構難しい。それをしようとは思わない。テーマに沿って機能する建物というのは好きだが、ゲームのコアな仕組みの部分で役割を果たさないからと言って、ひどく困るものでもない。あらゆるワーカープレイスメントゲームがそうだ。資源の勝利点への交換は、ほとんどあらゆるゲームにおいて問題となる。なぜなら、これまでの経緯がどうかというよりも、これはゲームとして勝者をきめるのに必要な手段であるからだ。ストーンエイジの建物は、よりテーマに沿って公正で、簡易に作られている。たとえば、建物の絵柄は、それを立てるのに必要な資源に適した絵柄にすることもできただろう。けれど、ゲーム製作者はいくつかの理由により、あえてそうしなかった。私のポイントはこうだ。テーマの強さは、ゲームにおける勝利点の部分に対して、決してうまく機能しない、ということだ。


OK。この記事を読んだ君らの反応は多分こういうものだろう。「あきらめろよ。これは単にゲームなんだ。テーマっていうのはどこかの部分でうまくいかないものなんだ」そう、それはその通りだ。けれど誰だって、そのゲームがテーマとよりよく一体化している方がいいんだ。要するに、アグリコラは、実に多くのディテールによって、農場を作り上げることをシミュレートするゲームであろうとしている。これは、真面目なマイクロマネージメントだ。けれど、肝心なのは、ゲームプレイを良くしようとしてテーマ性が失われてしまったという点なんだ。そうなんだ。あらゆるテーマを持ったゲームはゲームプレイでそのテーマを満たさなければならない。しかし、事実、アグリコラが細かなテーマに沿った要素をたくさん持っていることで、実に辻褄の合わないことが目立ってしまい、イライラするんだ。ストーンエイジは、高度で細かなテーマ要素で没頭できるようなゲームであろうとしていないが、(皮肉なことに)アグリコラよりもそのテーマは筋が通っている。アグリコラは、その自身のテーマ的ディテールにより、自ら失敗しているんだ。


ゲームプレイ:
OK。ゲームプレイという観点から、なぜ、アグリコラよりストーンエイジが好みかってことを簡潔に付け加えよう。繰り返すけど、これは単に僕の好みを書いているだけであって、ストーンエイジが実際的、客観的にアグリコラより優れいているってことじゃないんだ。(実際それは違うだろうしね)


(1) アグリコラは、頭が沸騰しそうになるゲームだ。これは主に、誤りなくアクションを続ける必要があって、これが長く続いて、失敗に陥ったりするからだ。ロジスティックス(物流)のゲームなんだ。ある意味、ストーンエイジも同じだけど、そうしたアクションの連続は、それほどは長くない。こういう点を好む人間がいるんだ。面白いことに、アグリコラは、多分、戦略的でも、戦術的でもないゲームだってことだ(そういう要素はあるけれども)。何よりもロジスティクスのゲームだと思う。純粋な戦術的なゲームにおいては、単に自分のターンでベストな行動を取ればいい。先のターンのことを気にしないでね。戦略ゲームにおいては、かなり明確なゲーム全体の計画に対する考えを持って、それに向けて行動する。アグリコラでは、実際、ゲーム全体の計画を持つってのはできない。他のプレイヤーのアクションが簡単にそういう計画をダメにしてくれるし、カードが望ましい順番に出てくるとは限らないからね。自分の行動を「縛ら」ないとならないから、1回に、色々な行動をとることもできない。代わりに、一連のミニ戦略(この1つ1つがロジスティックスのセットだ)を立て、それを使って最後まで何とか切り抜けていく必要がある。ストーンエイジは、戦術的というよりは、むしろ戦略的なゲームだ。それなりに早いある時点で、飢餓、大きな道具、建物の素早い枯渇などを通して、どう進めていこうかということを決める。そして、その方向性に沿って動き、とりわけカードの順番に応じて戦術的な決定があることを理解していく。どちらかのゲームの「スタイル」が一方より本質的に劣っているとかではなくて、僕の個人的な好みがストーンエイジのスタイルの方とあっていたってことだ。そして、このストーンエイジのスタイルは、カタンの戦術と戦略の混ざり具合に似ていると僕は思う。


(2) ストーンエイジと同じように、アグリコラはワーカープレイスメントゲームだ。限られたスペースを巡ってプレイヤーやワーカーが争うという仕組みで、プレイヤー間の絡みが実現されているのも同じだ。大きな違いは、ストーンエイジでは、5人以上のワーカーが、各資源の7つの産出場所と3つの特殊エリア(農場、道具、子供)という場所で争うのに対して、アグリコラでは、2人以上のワーカーが各資源の「1つの」産出場所を取り合うことになる点だ。だから、アグリコラでは、いい資材を取るのにより苦しむことになる。ストーンエイジでは、1回のターンで全員がレンガを取ることができる。アグリコラでは、たった1人しかレンガを取ることはできない(レンガを取ることができる追加のスペースがあることは知ってる。でも、そこで取ると、普通に取るよりも効率が悪いんだ)。これはすごく厳しい。このことは次のことも意味している。つまり、自分自身が最も良い結果を得ることと他プレイヤーのやりたいことを妨害することの両方の観点において、各プレイヤーの目的が、最適なターン行動のゲームバランスを作り上げている。これは、プレイヤーの絡みは、ほとんどすべてが相手のやりたいことをブロックすることになるってことだ。もちろん、ストーンエイジも(ワーカープレイスメントゲームであれば)似ているけれども、はるかにその厳しさは少ない。相手の行動をブロックしようと考えることが少ないんだ。(2人プレイのように、アグリコラに似て配置制限が厳しくなる場合は除くけど)。僕の好みとしては、プレイヤー間の絡みは、「負の面」がより少ない方がいい。アグリコラは「イヤなやつ」のゲームなんだ。それは、カルカソンヌに少し似ていて、しばしば自分の得点を重ねるよりも相手をブロックする方が効果的だ。ストーンエイジはなんとか、「イイやつ」のゲームになってる。(「イヤなやつ」プレイをする余地はあるけどね!)こういうゲームが僕は好きなんだ。これは単に僕の好みだってだけだ。(だから「イヤなやつ」とか「イイやつ」とかいう言葉もできれば使いたくないんだよ、僕の言いたいこと、分かるだろ。)


(3) (以下の議論は、後で追加したものだ)アグリコラでは、やり初めのころは全く勝てなかっただろ。こいつは、初心者泣かせなんだ。ストーンエイジと電力会社の2つのゲームは、ゲームの最終局面まで負けそうになっているってことを初心者に対してとても巧妙に隠しているゲームの典型例だ。これは、電力会社なら、初心者をびっくりさせるようなゲーム後半の盛り上がりで実現しているし、ストーンエイジでは、隠してあるカードがトップの人を完全に逆転する大きな点数になるという仕組みで実現している。けれど、アグリコラでは、ゲームのかなり早い段階で、相手より数ラウンドは後手に回っているってことに気づいて、残りのゲームは形だけプレイしているような状態になる。すっごい悩ましいことだ。だってこれは、アグリコラは、近い実力を持つ者同士でやらなければならないという事になるからだ。ストーンエイジや電力会社でも、初心者は負けるだろう。でも、ずっと楽しいんだ。なぜなら、自分の負けが分かるということに対して、ある種意図的に無知でいられるように、不明瞭にしてあるからだ。アグリコラでは、最初の30分で自分が負けることが分かり、屈辱的な残りの1時間を味わうことになる。これは最低だ。


最初に言ったように、実際のところ、ストーンエイジよりアグリコラの方が優れたゲームだと思っているし、それはBGGの評価にも反映されている。アグリコラには苦しい決断や、実に多くの多様性、リプレイ性(デッキのおかげで)があり、(ある程度)人気の素晴らしいテーマ性があり、多くの選択肢がある。僕は根気強くアグリコラにも励むのだろうが、ふつうに言えば、ストーンエイジで遊ぶ方がやっぱり好きなんだ。

2012年10月13日 (土)

【ボードゲームレビュー】ナビゲーター ★★★☆

Navegadore_01



評価:★★★☆[3/4](2人プレイでの評価です)

プレイ人数:2人~5人

プレイ時間:2時間ぐらい。


全ての要素が楽しい。航海、植民地、工場、有力者からの恩恵、どれもが男の子成分高めで、ワクワクする。いいゲームだー。


簡単なゲームの流れ

  1. プレイヤーは、2隻の船を持ってスタート。
  2. 未踏破の海域を通ったり、各地の植民地を購入したり。
  3. リスボンの地元では、工場経営したり、有力者にとりいったり。
  4. 誰かが長崎まで到達したら、ゲーム終了。
  5. 植民地の数や未踏破地域の数に応じて勝利点を獲得。最も勝利点の高い人が勝ち。

Navegadore_02


↑ゲームボード全景。この小さいなボードで大航海時代が繰り広げられる。ボードを見てるだけで楽しい。


ゲームの総評

一手一手じっくり考える。これでいいのか、悪いのか。すごく色々な要素が詰まっているので、ルール説明は長くなるかもしれない。でも、理解はしやすい。ちなみに、一番誤解しやすいのは、「植民地を1つも持っていなくても、工場経営はできる」という点だろう。


ちなみにまだ二人プレイしかしていないが、多人数だと混沌とするんだろうなぁ。


唯一の不満が、ゲームの終了条件。これは単純に好みの問題だ。「長崎まで開拓されると終了」という条件のため、かなり意識的にプレイヤー側で試合を終わらせることができる。もちろん、勝てる見込みがある場合に試合を終わらせるのは、重要な勝ちのための手段だ。でも、まだ続けたい方としては、若干フラストレーションが溜まるのよね。しょうがないけど。


とにかくワクワク度が高いゲーム。好きだな。

2012年10月11日 (木)

【Appレビュー】アグリコラ得点計算アプリ(iPhone)を一挙3本レビュー

アグリコラの最後の得点計算は、それほど難しいわけではないのだが、若干めんどうだ。iPhoneで何か得点計算してくれるアプリはないかと探した。見つけた3つのアプリを一挙にレビューしてみた。


【総評】
3本とも、それぞれに良さがある。ツマラナイ結論だが、何を求めているかに依るだろう。個人的には圧倒的な使いやすさの47chiku氏の「Agricola Calc」があれば、通常使う範囲において、全く困らないだろうと思う。


■1.Agricola Calc

製作:しなちくさん

ツールURL:iPhone用のアグリコラ得点計算Webアプリ、"Agricola Calc"!

特徴:分かりやすく、使いやすい。拡張にも対応!

Agricola_calc_1

無料でここまで使えるのだから凄い。拡張にも対応しており、何より操作性が良い。直観的で分かりやすく、何をすればいいのかが一目瞭然だ。初心者プレイヤーとの勝負の後、iPhoneごと渡して「これで計算できるよ」と気軽に使ってもらうこともできる。

ただし、これはWebアプリ。ダウンロードして使うAppではない。試しにやってみたが、機内モード(オフライン状態)では使えない。(当たり前だ)
後になって気付いたけれど、WebアプリだからiPhone以外のスマートフォンでも使えるという非常に大きなメリットもある。

Agricola_calc_3_clay_stone

↑重箱の隅をつつくようなどうでも良い話だが、下から5段目(レンガの家)と4段目(石の家)が同時に計上できている。スコアリングする人自身が気をつければ問題ない話だ。


■2.Agricola Scorer +

製作:Forrest Wang

URL:http://itunes.apple.com/jp/app/agricola-scorer-+/id536457566?mt=8

値段:85円(2012年10月9日現在)

特徴:勝負の履歴が記録できる。これまでのハイスコアなどがプレイヤーごとに見ることもできる。BGGに記録をアップロードできる。でも操作性は悪い。

アップルのAppStoreなどを見ても評価が出ていないので、本記事ではこのアプリをメインにレビューしよう。


Agri_scorer_01

↑起動直後の画面。


このアプリ、まずは最初にプレイヤーを登録する。

Agri_scorer_02_mem_add

"Add Player...."を選択して、入力すると以下のように登録される。

Agri_scorer_03_mem_added

今回は、"Turq"と"Kum"という2人のプレイヤーを登録してみた。

Agri_scorer_04_main1

↑メンバー登録後の画面。これがこのアプリのメイン画面と言える。


この後、スコアの入力方法が2つある。ここでは、プレイヤーごとに入力する方法で説明する。プレイヤー名をタップすると次の画面になる。(ちなみに、もう一つの入力方法がカテゴリごとに入力する方法だ。今回の記事では説明を省略する。)

Agri_scorer_05_scorebyplayer

このアプリの操作性の悪さが際立つのがこの画面だ。いきなり、カテゴリー(農場スペース、農作物、動物など)ごとに勝利点を直接入力する画面になるのだ。


多くの人は、普通、「畑の数」や「牧場の数」を入力したいと思うだろう。
それらを入力するには、数字の"0"の上にあるiPhoneの計算機アイコンに似たマークを押して次の画面にすることで可能になる。(計算機アイコンに似た、と書いたが、そのまんま計算機アイコンだね、これは)


Agri_scorer_06_spacecalc

この画面でようやく、畑や牧場、未使用スペースの数を入力できる。上に出ている計算式がこのカテゴリ(農場スペース)における勝利点だ。
大した問題ではないが、若干分かりづらい、と思う。
全てのカテゴリについて入力して、以下の画面のようにプレイヤーごとの合計勝利点が分かる。

Agri_scorer_08_input_finished

特徴的なのが、BGGにプレイ記録をアップロードできる機能。試しにやってみた。BGGにログインして[My Geek]→[Played]で、確かにアップロードされていることが確認できた。

Agri_scorer_09_share

最初の画面の"Statistics(統計)"からは、これまでのハイスコアなどが、確認できる。

Agri_scorer_10_statstics1

↑この画面ではカテゴリごとのハイスコアが何点で、どのプレイヤーが獲得したものか示している。


アグリコラのプレイ記録を残しておきたいのであれば、このアプリがいいだろう。ただ、操作性については、上記で指摘した点以外にも「余計に追加してしまった試合(ラウンド)を削除する機能がない」など使い勝手が若干気になった。スコアをアップロードできる機能は、少し嬉しい。85円という値段なら、まあいいか、という感じだ。しかし今年(2012年の7月末)にリリースされたアプリのようだが、未だに需要があるもんなのかな。


■3.Agricalc

製作:Terry Wilcox Jr

URL:http://itunes.apple.com/jp/app/agricalc/id380616485?mt=8

値段:無料(2012年10月9日現在)

特徴:無料!拡張対応なし。オフラインでも使える。

無料なりのアプリ。操作性はそれなり。プレイヤー名などは登録できるが、プレイ記録などは残せない。

Agricalc_1

↑起動直後の画面。シンプル!

スコアを入力するのが以下の画面。分かりやすい。

Agricalc_2_clay

↑一応、レンガか石のどちらかしか部屋の点数は計上できないようになっている。

二人分の得点を入力した後の画面。まあ、分かりやすいですね。

Agricalc_6_2mem

しかしこれ以上の機能はない。プレイの記録を履歴として残したりすることはできない。その場で使って、何点だー、と計上するシンプルなアプリです。まあ、オフライン状態でも使える、というのはいいけれど、拡張に対応していないのがイタイかも。

Agricalc_7_reset

↑新しい試合結果を入力するため、画面左上の"New"を押すと、「リセットして、消しますよー」という警告画面が出る。

2012年10月 8日 (月)

【ボードゲームレビュー】アグリコラ ★★★★

Agricola_1



評価:★★★★[4/4満点!](2人プレイでの評価です)

プレイ人数:1人~5人(1人プレイ・ソロプレイも可能)

プレイ時間:初回ルール読みながら2時間ぐらい。2回目以降は1時間ぐらいかな?


欲しかったゲーム。もちろんBGG(BoardGameGeek)のランキングで高順位につけているから、というのも理由だが、この温かみのある雰囲気にいざなわれて購入してしまった。やってみてビックリした。メチャクチャにおもしろいぞ、コレ。なぜ面白いのか自分でも良く分からないのに、面白い。なんなんだ・・・。

 

簡単なゲームの流れ

  1. プレイヤーは、14枚の特殊なアクションカードと家2つ、家族コマ2つでスタート。
  2. 資材(木やレンガ)を取ったり、畑を耕したり、家を増築したりする。
  3. 特定のラウンドで、作物を収穫し、家族に食糧を供給する。
  4. 全14ラウンドを実施したら、ゲーム終了。
  5. 作成した畑や牧場や家のグレードに応じて勝利点を獲得。最も勝利点の高い人が勝ち。

Agricola_2_zenkei

↑ゲームボード全景。A4サイズのボードを4つ組み合わせて(物理的につながってない)作る。各人の農場は別ボードがある。テーブルが、せまい・・・。


ゲームの総評

このゲームには色々な評判があるが、日本語で読めるレビューでも概ね評価は高い。そして購入を考える大きなキッカケとなったのは、BGGにおけるランキングの高さだった。


しかし、多くのレビューサイトで高い評価を得ながら、どうもすっきりとした「これが一番だ!」という感想があまりない点が気になった。


結局、最終的に購入を踏み切ったのは、次のような意見があったからだ。
「誰が作っても、同じような農場になる」。


人によっては、減点ポイントになるかもしれない。しかし自分にとっては、不思議と引き込まれるものがあった。ゴールは同じでも過程が異なる。自分はそういうのが好きなのではないかと思ったのだ。

Agricola_3_nojoboard

↑初回のソリティアプレイの結果。結構頑張ったけど、目標の50点に到達せず。

Amazonでの購入をしたはいいが、入荷が半月以上先だという。逸る期待を抑えきれず、様々なアグリコラのレビューを読んだ。中でも最も有名なあのレビュー『なぜ俺のようなアメゲー厨がアグリコラを愛するのか』も読んだ。夢中で原文でも読んだ。


高まる期待と反比例して、商品が届くまでに熱が冷めてしまうのではないかと心配になってきた。それほど面白くないかもしれない、と不安に感じ始めた。


半月後、ようやくアグリコラが到着してプレイして見たのだが・・・・。



お、おもしろい。これは、本当に面白い。そもそもルールブックを読んでいて、プレイする前に興奮した。(ここまで進んでから、ようやく家族コマが増やせるのか・・・、とか。とうてい15のスペース全部に畑や建物を建て切れそうにないぞ・・・、とか。ルールを知る過程で興奮したのは、プエルトリコやカタンでもあった。)
そしてプレイして、やられた。「しょ、食糧たりない・・・・」。この焦燥感がたまらない。まあ、この辺りの興奮は、先に挙げたあの「なぜ俺のような~」のレビューが最も的確に表現している。


ところで、このゲーム。自分はなぜこんなにも魅力的に感じたのか、その要素を挙げたい。


それは、「小さな目標」が分かりやすく提示されている、ということだ。まず何をするか、ワーカーである家族を増やす。これは誰でも思いつく目標だ。人間を増やさなければ話にならない、と。
でもう一つ必ず意識する目標は「食料の確保」だ。収穫フェーズに入るまでに、家族を養うだけの食料を確保しなければ餓死してしまう。この2つの目標になるべく誰もが気付くことができるように、伝わりやすいように、システムが作られている。そして、ここが巧妙だと思うのだが、どんなアクションを取っても、この2つの目標のどちらかに貢献する、とプレイヤーが納得できる、という点だ。だから、プレイをしていても不安にならない。無駄なことかもしれないと思う幅が、少ないのだ。
これらの2つの目標で、最初の方の手数は一杯になってしまうだろう。それ以外に打てる手は1~2手程度。有体に言えば、自由度は高くはない。しかし、この自由のきく手が1~2手程度、というのが、ちょうど自分にフィットしたのだと思う。


なお、個人的に重要だと思うのは、「何をしたらいいか分からない」というのがイヤなのではない、ということだ。そうではなく、「この世界における価値」が、何か分からないことがツライ、のだ。(この話は別途何かのコラム的なものを書こう)


いずれにせよ、アグリコラは凄いゲームだ。作り上げた農場が似たようなものになるって?いや、そこには最後に至るまでの「歴史」という無数の違いがプレイヤーには見てとれるはずだ。


最後に、アグリコラをプレイする上で快適になった道具を1つ紹介したい。このゲーム、細かく資材を補充したり、小さなコマを袋から取り出すのが面倒だった。しかし、100円均一でかったこの収納ケースが凄い便利。もはやアグリコラのためにあるもののような気さえしている。これで相当補充作業などが楽になった。

Agricola_4_case

↑百円均一でかったプラスチックの収納ケース。アグリコラの箱本体に、この収納ケースを入れてみたが、300枚あるカードまで納め切れなかった。うーむ、おしい。


追記(2012年10月19日):
海外で、『ストーンエイジ(StoneAge)』と比較したレビューがあったので翻訳してみました。拙いものですが、こちらの記事です。



2012年10月 3日 (水)

【ボードゲームレビュー】iPhone版ライナークニツィアのメディチ ★☆☆☆

Medici_1

評価:★☆☆☆[1/4](COMとの4~5人プレイでの評価です)

プレイ人数:3人~6人(COM対戦有なので1人でもプレイ可。)

プレイ時間:15分ぐらい

ボードゲームにハマる前に購入していたゲーム。高評価に釣られて買ってみたけど、あんまり面白さが分からなかった。競りはやっぱり対人じゃないとだめかな。



簡単なゲームの流れ

  1. 場に出された商品に対して順番に入札する。
  2. 入札の機会は1回のみ。最も高い金額の人が落札。
  3. 商品の価値ごとに点数を取得する。
  4. 同じカテゴリの商品を多く落札すれば、それだけボーナス点数を取得
  5. 商品が全て競りにかけられたら終了。
  6. 最も点数の高い人が勝ち。

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ゲームの総評

分かりやすいルール。すぐに遊べて楽しいのだけど、やっぱりAI相手に競りをすることに虚しさを感じてしまう。楽しくないのは、このゲームのメカニクスみたいなものが理解できてないからかもしれない。

ボードゲームにハマって、ライナー・クニツィアさんという方がボードゲーム界で物凄い人なんだと理解して、もう一度プレイして見たけど・・・・。

う~ん。そんなに面白いかなぁ。これ。でもきっと面白いんだろうな。競りってもっと「なまっぽい」感じを楽しむんだ!という固定観念が強すぎるのかもしれない。いつかまた、どこかで競りゲームの楽しさを知ったら、再プレイして、評価したい。

2012年10月 2日 (火)

【ボードゲームレビュー】iPhone版チケット トゥ ライド ★★☆☆

Tickettoride_iphone_1


評価:★★☆☆[2/4](COMとの4人プレイでの評価です)

プレイ人数:2人~4人(COM対戦有なので1人でもプレイ可。)

プレイ時間:20分ぐらい

iPhone5発売記念?ということでiPhone版の『チケット トゥ ライド』が無料になっていた。これはチャンス、とばかりにダウンロードして遊んでみた。噂には聞いていたが、これはいいゲームだ。

 

簡単なゲームの流れ

  1. プレイヤーは、最初に目的地カードを受け取る。
  2. ボード上には、線路が色分けされて各地域を結んでいる。
  3. 最初に取得した目的地カードに合わせて、色別の列車カードを集めて線路をつなげる。線路をつなげるたびに勝利点を獲得。(つないだ線路は各プレイヤーが持つ列車コマを置いて示す)
  4. 目的地を無事つなげられたら、大量の勝利点を獲得。
  5. 誰かの列車コマが2個以下になったら終了。
  6. 最も勝利点が高い人が勝ち。

ゲームの総評

これは、誰でも遊べるいいゲーム。すっとルールを理解できる。しかも線路をつなげるという行為自体が本能的に楽しい。目的地同士を繋げきった時の達成感は、誰でも素直にうれしくなってしまうだろう。

一方で、運に寄り過ぎている、ということも数回のプレーで感じた。こう一度思ってしまうと、なかなか気分が乗らなくなってしまうかもしれない。いろいろなレビューサイトで平凡な評価に留まっている理由が分かる。しかし、どんな人もこのゲームにいい印象をいだいているように感じられる。このゲームの凄いところだ。

また、非常に身体的な喜びに近いからだろう。コンポーネントの充実にこだわる方も多い気がする。その点も良く理解できる。

このゲーム、鉄道をつなげる喜びが強すぎて、最後の得点計算が逆に邪魔になったりしていないか、と余計な心配をしてしまう。「バンクーバーとマイアミをつなげる喜びは、20点とかの点数に還元されないものなんだよ!」みたいな感じにならないだろうか。

もっとプレイヤー同士で協力(絡み合い)ができるような要素があると、この喜びとの相乗効果を産みそうだ。

しかしパーティゲームとして非常に優秀なのは、iPhone版だけをプレイしても理解できた。ルールがとにかく簡単で、選択のジレンマも1回の説明で理解できる。
これは美しいシステムだと思う。

だれでもプレイできるゲームだからこそ、素晴らしいコンポーネントのセットがあればぜひホンモノの『チケット トゥ ライド』が欲しい。これはiPhoneでやるよりもボードを囲んで人とワイワイしながら遊ばないと十分に魅力を引き出せない。
ゲーム自体の評価とは別に、今一番(手で触ることができる)ホンモノが欲しいゲームだ。

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