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2012年11月17日 (土)

【海外フォーラム記事翻訳】なぜ、協力型ゲームはクソなのか?奉行問題があるからだよ!

協力型ゲームで、経験豊富な1人のプレイヤーによりすべてが仕切られてしまう状態。いわゆる奉行(ソロ)問題。これって海外ではどのように語られているのだろうかと思い、BGGで調べていて見つけたのが、この記事です。原題は"Why co-ops suck? Leader problem, man!"書いているのは、『ロビンソン・クルーソー:呪われた島の冒険※』のデザイナーである"Ignacy Trzewiczek"さんです。この記事へのリンクもあるIgnacyさんのWebサイトはこちら

※・・・原題は"Robinson Crusoe: Adventure on the Cursed Island"

このゲーム自体、今年の新作の中でも、特に期待しています。し、しかし、言語依存度が高いそうで、日本語版が出てくれないと、自分のような英語が未熟な人間には楽しめなさそう・・・

ただ、日本語版の発売をひたすらに待つのも寂しいので、このワクワクを原動力に、またまた英語の勉強がてら、本記事を訳してみました。うーむ。最後の一文だけ、どうしてもよく分からなかったのですが、とりあえずアップしてしまえ。えいっ!

何かお気づきの点があったら、ぜひ教えてください。では、以下から記事の本文になります。


『なぜ、協力型ゲームはクソなのか?奉行問題があるからだよ!』


この前、「自分が勝てない問題」について話したけど、それは小さな問題だ。問題と言っていいのかさえ怪しい。じゃあ、大きい問題って?協力型ゲームにおける大きな問題とは?それは、奉行問題!そう、これ。多くの人が協力型ゲームで遊びたがらないのは、これが理由だ。

奉行問題

奉行問題とは、協力型ゲームを遊んでいるときに、1人のプレイヤー(これを仮にジョンとしよう)が、他のプレイヤーにどう動くべきか指示するようなる状況になることだ。みんな勝ちたいし、全力を出すし、こうすべき、というアイデアがあるはずなんだ。でも、ジョンは、他の人たちに、自分のやり方が一番だってことを説得しようとする。みんなが彼の計画に従って、彼に耳を傾けるべきだと主張する。自分のやり方を押し付けようとするんだ。

これはムカつくし、イライラする。欲求不満と怒りを感じるし、楽しくとも何ともない。終わった後、もう二度とジョンと遊ぼうと思わないだろし、このゲームで遊ぼうとも思わない。そして、協力型ゲームも金輪際お断りだと思うだろう。

場合によっては、ジョンに問題があるのかもしれない。でもこれは、そもそもそういう問題なんだろうか?ジョンは確かにクソ野郎だ。彼がゲームを台無しにした。他人の意見を無視して、みんなに自分のやり方を押し付けた。ジョンは、身勝手なバカだからね。このゲームの出版社がゲームの箱の中に銃を入れておいてくれないから、こういうジョンみたいな奴をなんとかしないといけないし、問題を解決することもできないんだ。

だけど・・・

ほとんどの場合、ジョンが悪いわけじゃない。彼がクソ野郎だから、こういうことになってるわけじゃあないんだ。これは、協力型ゲームがクソだからだ。そういう単純な話なんだ。

三目並べ

じゃあ、実際に例を挙げてみようか。僕らは今、三目並べを遊んでいる。まだゲームの途中だ。僕らのチームは、○担当だ。以下の図に示すような状態だとする。

Tic_01

僕は、今までたくさん三目並べをしてきたけど、今日は、メチャすごい事を思いついた。「ここに○を置いたらどう?。これすごくない。見てよ!」って、僕は、3つ目の○を置きたい場所を以下のように示す。

Tic_02

けど、チームメイトのアンは納得しない。彼女は、別のアイデアを持ってる。以下のように、3つ目の○を置いて、逆向きになったLみたいな、クールな形にしたいからだ。

Tic_03

ジョンが僕らを見つめている。今聞いたことが信じられないようだ。「おまえら、トチ狂ってんのか?」僕とアンに向かって怒鳴り始めた。「ここに○を置くしかないだろうが!ここ!でないと、負けるだろ!そうだろ!?」と言って、彼は、以下のように、3つ目の○を置くべき場所を指した。

Tic_04

僕とアンは、しばらくブツブツ言っていた。ジョンのことをバカだと僕らは思ったけど、最終的に僕らは賛成した。彼が正しいと分かったからね。ったく、クソが。

ここで、問題だ。ジョンがアホなのか、それとも三目並べが単に協力型ゲームじゃないってことなのか?

三目並べは、答えが1つに決まっているゲームだ。相談や議論をする余地が全然ない。協力したり、互いに素晴らしい方策を探し出したりする機会はない。答えが決まってるんだ。たった一つの最適解があって、他の案は全部ゴミ箱行きだ。

だから、協力型ゲームはクソなんだ。だから奉行問題が起こるんだ。奉行 - ジョンは、正しい答えを知っている。彼は、何回もプレイしてて、経験もある。彼が、ボードを見れば、それは、三目並べのように見えるんだ。だから、自分のやり方を押し付ける。彼が、身勝手野郎だからじゃない。彼が答えを知ってるからだ。協力型ゲームは、答えが決まっているからなんだ。三目並べに比べたら、そりゃあ、協力型ボードゲームには、立派なイラストとか、面白そうなテーマとか、洗練されたルールとかあるかもしれないけど、結局は同じなんだ。

根本は、三目並べと同じ。単なるパズルなんだ。

だから・・・

僕には、「ロビンソン・クルーソー」の箱に、この問題を解決するために、銃を入れておく勇気はなかった。正直なところ、以前から奉行問題は全くジョンのせいじゃあないと確信していた。今は、協力型ゲームは答えが決まってる、ってとこに問題があるのだと信じている。

そして、僕がロビンソン・クルーソーの仕事に取り掛かったことを知ってるだろうから・・・・
[続く]

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