【ボードゲームレビュー】ホワイトチャペル ★★☆☆
評価:★★☆☆[2/4](6人プレイでの評価です)
プレイ人数:2人~6人
プレイ時間:30分ぐらい(通常は60分~120分ぐらい?)
あの切り裂きジャックをテーマにしたゲーム、と聞いただけで少し楽しくなってしまう。警察とジャック、双方の推理と思惑が交錯する硬派な追いかけっこゲーム。
簡単なゲームの流れ
- ①プレイヤーはジャック側と警察側に分かれる。
- ②警察側は、ロンドンの街の中に警官を5人配置する。ジャックはコマを置かず、スタートポイント(殺害現場)を決める。
- ③見えないジャックは1ターンごとに行き先を決めて、手元のシートに誰にも見えないように記入する。警官は移動しながら調査を実施する。調査された場所が、既にジャックが通ったことがあれば、ジャック側は既に通った事を申告しなければならない
- ④ジャックがアジトに到着する前に、警官がジャックに追いつき、逮捕できれば、警察側の勝利。
- ⑤4ラウンドに渡って、アジトに帰ることができれば、ジャック側の勝利。
ゲームの総評
自分は名作「スコットランドヤード」をプレイしたことがない。なので、今回のホワイトチャペルで初めて、「これ系」のゲームをプレイしたわけだが・・・。た、楽しい。これいいね。逃げるのも、追うのも、こりゃあ楽しい。
今回初プレイで残念だったのが、すぐに(第一夜で)ジャックが捕まってしまった点だ。この後の展開では、さらにジャック側が辛くなって、追い詰められていくらしいのだが、そこまで楽しみたかった。
しかし、このゲーム、大変気に入ってしまった。だってこれ、2人でもプレイできそうだし。多人数でも楽しそうだし。推理合戦なんて、かつてのミステリー好きとしては心躍ってしょうがない。
また、個人的に、プレイヤー間の非対称性に自分は惹かれる。各プレイヤーが対等な立場になって対戦する、というのも素敵だが、非対称的な関係でやりあう、という設定が好きなのだ。それだけで、ドラマが生まれるような気がする。(パンデミックの隠れた魅力は、そうしたプレイヤーごとに異なるROLEにあると思う)
ボードゲームにおける、相手を「叩く行為」と「だます行為」。どちらも魅力的だが、ボードゲームでは、「他者へのネガティブ要素」というのは、なかなか取扱いが難しい。(カタンの盗賊ですら、扱いが難しい)
しかし、このゲームでは、その「たたき行為」と「だまし行為」が立場によって完全に分かれ、お互いがそれらを中心に実行し続ける。これぞ模倣遊びの真骨頂という感じがする。
ちなみに切り裂きジャックというのは映画やゲームや漫画など、あらゆるエンタテイメントメディアで扱われる人気キャラクターだ。正直言うと、それほど好きなモチーフではない。というのも、ジャックというキャラクター自体に確固とした印象がなく、魅力をあまり感じないからだ。
しかし以前から、このキャラに纏う空気や雰囲気には、そこはかとない魅力を感じていた。
今回「ホワイトチャペル」をプレイしてみて気づいたのだが、「19世紀末のロンドン」という舞台に自分は魅力を感じていたようだ。変な言い方だが、映画やTVゲームよりも、ボードゲームというアナログな装置こそ、この「19世紀末ロンドン」と「切り裂きジャック」というテーマにピタリと嵌っているのではないかと思った。
後で調べてみて、このタイプのゲームにも色々とあることが分かった。「ホワイトチャペル」は少々複雑で、重い印象があったので、プレイ感が軽いとの評判の「ミスターX」を購入してしまった。いずれレビューしたい。
ミスターXのレビュー記事はコチラ
追記(2014.9.27)……やはりミスターXと比べると重い。まったく個人的な趣味として、ホワイトチャペルはなかなかプレイする気持ちを持つのが難しいと感じる(もちろん、こちらの方が好きという人もいると思う)。有用性の観点から、★を1つ落として、★2評価とすることとした。
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