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2013年1月29日 (火)

【海外レビュー記事翻訳】テーベ(テーベの東)について本当のところ子供たちはどう思っているのか。8歳と10歳の子に訊いてみた。

とうとう発売しました日本語版のテーベ(テーベの東)。

非常に運要素が強い(ある意味ぶち壊している)とも評されるこのゲーム。個人的にはとても満足しています。やっぱり、ゲームというのは「体験」なんだと思います。なので、勝負や協力というのは、あくまでその体験の切り取り方、断面図なのではないかと。そう考えると「運ゲー」と言われるのに、これだけの高評価を得ている点にこのゲームの魅力があるのだろうと。素晴らしい「体験」ができるツール・おもちゃだと思っています。

この記事は、8歳と10歳の子供たちにテーベを遊んでもらって、彼らにインタビューする、という変わった形のレビューです。その記事の翻訳になります。

しかし、子供のからかい方って万国共通ですね。妙に親近感を覚えます。全然別の話ですが「ボードゲーム買いすぎて、奥さんやガールフレンドに怒られるー」みたいな記事もありました。

こういう例を見ると、ギークの生態は、国境や言葉の壁を越えて、共通するんだな、と思います。

また、8歳の息子さんがとっても背伸びして答えているのが微笑ましい。また最後の娘さんのコメントなどは、彼女のドヤ顔が見えるようです。

自分の英語力が未熟なため、子供特有の言い回しみたいなことは分からなかったので、雰囲気を伝えられなかったかもしれません。

ちなみに、「息子」とか「娘」とかの字に色を付けたりしていますが、原文は黒字のままです。翻訳にあたって、一部変更しましました。

何か間違いがあったら、ぜひご指摘ください。

ではでは、以下から記事本文です。

追記(2012.1.29)無事発売されましたので、文頭をわずかに修正しました。また翻訳許可を筆者様から頂いたので、その文言を付け加えています。


Original review in English by EndersGame, translated and reproduced with permission



テーベ(テーベの東)について本当のところ子供たちはどう思っているのか。8歳と10歳の子に訊いてみた。

先週、我が家では、友達から『テーベ』を借りてきたんだ。で、数日間ずーっとこれを遊んでた。このゲームについて、子供たちが本当のところどう思っているか、知りたくないかい?そこで、僕の8歳の息子と10歳になる娘にインタビューをして、このゲームのことをどう思っているか探ってみたんだ。

ここでは、彼らの言葉をそのままに書いたよ。

質問:テーベをこの3日間でどのくらいプレイしたの?
息子:3回
:2回

質問:このゲームの1回あたりのプレイ時間はどのくらい?
息子:1時間。
:たぶん、1時間ぐらい。

質問:テーベは理解するの難しかった?
息子:全然。
:実際は、そんなに難しくなかった。だって、最初にムービーを見たし、それで大体説明されてたから。あと、たいてい、ママが私たちに基本のカードとか、それをどうするのか、教えてくれたし。でね、シャベルとか飛行船とか、分かりにくいカードについては、それが出たときに、ママが説明してくれたの。

質問:このゲームどんなところが一番好き?
息子:発掘をしに行くところ。長くいれば、それだけ多く宝物を獲れるんだけど、何週間そこに滞在するか決めなきゃいけないの。
:一番好きなのは、飛行船。だって、飛行船はとてもかっこいいし、便利だし。その絵が好きなの。

質問:このゲームのどんなところが一番きらい?
息子:ないよ。
:このゲームの一番イヤなのは、ハズレしか取れなかった時。
息子:そうだ。それだ!僕もそれにして。

質問:コンポーネントについては、どう思う?
息子:コンポーネントってなに?
:発掘の文字盤がすごく好き。袋に入ってる小さいタイルも好きよ。それぞれ絵が描いてあるの。あと、それを入れておく袋もすき。それぞれの袋ごとに、それ専用の色のラインが引かれてて、発掘する場所ごとに別々の絵が描いてあるの。それにね、カードも好き。絵が描かれてて、単に"ピンク色の知識カード"ってだけじゃなくて、ちゃんと本の絵が描いてあるの。あと飛行船。あと、発掘のための小さなシャベルもあって、とってもいいの。

質問:テーマについてはどう思う?
息子:いいテーマだと思う。発掘するのすき。
:とってもいいと思う。だって、大体こんな感じでしょ。学校に行って、現場に行って、タイルをとって。そのままでとても分かりやすい。

質問:メカニクスは、このテーマにうまく合ってるかな?(例えば、発掘のメカニクスとか)
息子:とっても。発掘のときには、実際に袋の中に手を入れて探すからね。
:とてもいいと思う。発掘のやり方が好き。袋の中から取り出すでしょ。けど、発掘するのにシャベルの模型とかあったらもっと良かったかも。

質問:このゲーム、運はどのくらい必要かな
息子:すごくたくさん。
:運が必要なのは、袋の中を探して、タイルを取り出すとき。ポイントが高いのが欲しいけど、それはほとんど運だから。パパも言ってたでしょ「おー、それが獲れるなんて、運がいいね!」って。

質問:ある人たちは、このゲームに2点とか3点をつけてるんだ。「運の要素が大きすぎて、それが、このゲームはダメにしている」って。これついてどう思う?
息子:ダメにしていると思わないよ。それが楽しいんだと思う。
:そういう部分はあるかも。けど、そんなに低い点数をつけるのは違うと思う。だってこのゲーム、すごく楽しいんだもん。運の部分も悪くない。10枚も引いたのに、ハズレしか獲れなかったら、それも面白いじゃない。何が出るかなーって期待して、でも全部ハズレでした!って。

質問:遺跡の発掘で、ハズレしか獲れなかったことある?
息子:1回あった。6個もタイルを取ったのに。
:1回。その時は、3つしかタイルを引かなかったから。うん。実際私は、そういうこと全然なかった。

質問:それで、このゲーム嫌いになった?
息子:ううん。だってそこに発掘にいったとき、そこには1つしか宝物はなかったんだから。
:ぜんぜん。ハズレしか取れないのも面白い。「わー、これハズレだ。・・・で、これもハズレだ!」みたいな。

質問:このゲーム、戦略的な部分はどれくらい?このゲーム、みんながうまくやれるようになるかな?
息子:うん。
:ゲームのホント最初のところ、いろんな場所に移動するところはそうだと思う。「もしこれを取ったら、相手は、あれを取るかもしれなくて・・・」って考えるでしょ。ベストになるように、選ばないといけないから。

質問:おススメのお気に入りな戦略とかある?
息子:うん。できる限り発掘に行くんだ。
:少なくとも場に1つシャベルがあるときはいつも、それを取るべきだと思う。ホントにいいのは、たくさんポイントを取るため学会カードを取ること。そして、特別なカード、自動車とか飛行船とかが場にあるときも取った方がいい、いつそれが必要になるか分からないから。あと、一般教養(※)があるときは、2冊あるから、毎回それを取ればいいとは限らない。で、1つの場所でとどまるようにして、あちこち動き回らないようにするの。その場所で取れるものを取ってから、動くようにするの。

※・・・知識カード系のオールマイティなワイルドカード。


質問:このゲームでのお気に入りのカードは何?
息子:エジプトのカード。それに自動車のカード。自動車があると、動き回るのにとても楽になって、たぶんゲームの終わりまでに、たくさん発掘できるようになるから。それに、シャベルのカードも好き、あとは秘密。シャベルがあれば、発掘するとき、さらにたくさんの宝物を獲れるチャンスが増えるから。

質問:これまでの最高得点は?
息子:100点。
:103点。

質問:その時は、どうやって一番得点を稼いだの?
息子:だいたいが宝物で。宝物だけで86点も取ったんだ。
:私は学会だと思う。20点も取ったの。発掘タイルからは、少ししか得点できなかった。

質問:展示会はどう思う?
息子:僕、実際にそれやったことないんだ。それよりも、発掘する。
:とてもいいと思う。チャンスも手に入るし、ポイントを稼ぐもう一つの方法だしね。

質問:このゲームをデザインしたデザイナーの名前はなんでしょう?
息子:どういう意味?
:わかんない。デザイナーってなに?

質問:気になる?
息子:ううん。
:ちょっと。そのデザイナーっていっぱいゲーム作ってるんでしょ。だからそのデザイナーが分かれば、同じようなゲームが手に入るってことかな。

質問:ライナー・クニツィアやマーティン・ワレスがデザインした平均的な作品と比較して、テーベはどうだろうか?
息子:どういう意味?
:よくわかんない。その名前知らないし。どうでもいい。

質問:このゲーム、おススメするならだれにする?
息子:Tさん。
:友達。教会の人。小さい子にとってもいいと思う。あと、Tさんなら大好きだろうね。探索するのが好きな人におススメ。あと発掘するの好きな人も。

質問:大人と子供、どっちに向いてるかな?
息子:大人。
:両方に向いてる。

質問:向いているのは、何歳だと思う?
息子:7歳~15歳。
:7、8歳以上。

質問:じゃあ、15歳より上は?
息子:それでも気に入ると思うよ。

質問:君たちの友達は、このゲームをどう思ってるかな?
息子:好きだと思う。僕の友達の多くは、戦略を立てるのが好きなんだ。このゲームはそういう部分が多いから。
:たぶん好きじゃないと思う。だってちょっと変わったゲームが好きじゃないし。ちっちゃい子供用のゲームとか、カードゲームとかが好きなの。楽しくて短時間で終わるゲーム。長くて壮大なゲームは好きじゃないの。ウノとかは好きだけどね。あれもちょっと変わってるけど。

質問:もしテーベの拡張セットをデザインするとしたら、何を付け加える?
息子:何も追加しなくていいよ。
:拡張セットには、発掘用の小さいシャベルを増やすわ。あとボードにもう一つ場所を増やして、プレイ年数を少し長くするかな。もっと色々手に入れられるように、5年にする。それで、もう一つ色を付け加える。赤色がいいな。

質問:テーベをより良いゲームにするために、他にあった方がいいものってある?
息子:何もないよ。
:もっと年数を長くすれば、もっと刺激的になるんじゃないかな。もっといっぱい獲ることができるし。他には悪いところはないよ。少しぐらい運の要素がないと、全然面白くなくなっちゃうしね。

質問:あるBGGのユーザが言ってたんだけど、このゲームは"ゲームプレイでも楽しさにおいても、モノポリーにすごく似ている"って。これはどう思う?
息子:モノポリーよりも面白いと思う。
:違うよ。うーん、ある意味、1年でボードの周辺を回るというのはそうかもしれないけど、もっといろんな事が起きるから全然違う。発掘できるし。モノポリーじゃ、発掘できないよ。

質問:テーベより好きなゲームは何?
息子:マジック・ザ・ギャザリング。[10秒くらい考えてから、]マジックだけだね。
:私はテーベが一番好き。

質問:このゲームに何点を付ける?
息子:8点。
:10点。

質問:BGGのニコ・ソリタンダーがこう言ってる。「テーベは、一見したところ、見事にテーマを統合した、アブストラクトなユーロゲームのようだ(植民地主義者的な言い方だが)。とても素晴らしい製品であり、美しいゲーム作品である。また、よく使われる伝統的なユーロゲームのメカニクスを持っている。これは、バランスのいい資源と勝利ポイントの獲得を中心としたメカニクスだ。展開が早く、すぐに要領をつかむことができるし、家族で楽しむことができる。とても巧みな要素もある(時間消費システムや歴史的な点で)。しかし、運の要素がとても強い。気軽に日曜の昼に素晴らしいマチネーを楽しむように、リプレイ性も高いゲームだ。10点中7.5フェドラ(※)を付けよう。」このコメントに対して、どう思う?
息子:何も。長すぎるよ。
:大部分、そうだと思う。けど、いくつか難しくて分かんない言葉があったの。けど、だいたいはその通りだと思う。

※・・・『フェドラ』という有名な劇がある。マチネーと掛けているのだと思われる。


質問:今夜またテーベを遊ぶとしたら、やりたい?
息子:たぶん。
:うん。

質問:このゲーム、どのくらいで飽きるだろうか?
息子:だいたい5年くらい。
:拡張セットが出たときかな。その時は、拡張セットが欲しいな。毎日3回ぐらい遊び続けるとかしなきゃ、飽きないと思う。

質問:これ、持ち主の友達に返さなきゃならないんだけど、どう思う?
息子:いやだ。そうするなら、うちも買わないと。
:いやだ。

質問:このゲーム買うべきかな?
息子:そうだよ。いいゲームだし、好きだし。
:わーい。本当にいいゲームだし、買う価値があるよ。最初に遊んでから、買うゲームを決めるのが一番いい。普段から、パパも友達から一度借りてから、決めてるじゃない。

質問:テーベの適正価格はどのくらいだと思う?
息子:10ドル65セント
:35ドル

質問:最後に、テーベについてなんか言いたいことある?
息子:ないよ。だから、遊びに行っていい?
:ないかな。...ああ、1つあった。私、ほんとうにこのタイルの絵が好きなの。例えば、エジプトのタイルだったら、エジプトのモノがちゃんと描かれてるの。一番ポイントが高いのは、ツタンカーメンのマスクなんだけど、これは実際に、エジプトで発見されたものだし、多分いっちばん貴重なものだから、一番ポイントも高いの。


謝辞:我が友人のホモ・ルーデンス氏に感謝する。彼の「タリホー」のレビューで、彼はゲームについて子供たちにインタビューするという素晴らしいアイデアを思い付いた。私のレビューと質問は、彼のアイデアにインスパイアを受けている。もし、この記事を楽しんでもらえたならば、ぜひ、彼のレビューもチェックして「いいね」ボタンを押してあげてほしい。彼の4歳と5歳のお子さんのかわいらしい答えは、爆笑ものの楽しさだ!


↓Ender氏による写真付きレビューのリストは以下のリンク先にあります。興味のある方は是非!

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