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2013年1月29日 (火)

【海外レビュー記事翻訳】海外で人気?!の人狼系ゲーム「レジスタンス」レビュー

この記事は、BGGにある『レジスタンス』という正体隠匿系ゲームのレビュー記事です。当初、海外における人狼はどのように評価されているのか?を調べようと思い、色々と記事を検索していました。しかし、僕の英語力では、ちょこちょことBGGを検索するのが関の山。あまり面白い記事が見つけられませんでした。

そこで、視点を変えて他の人狼系ゲームに対するレビュー記事を読んでみたら、逆に人狼について書かれているのではないかと思い、探していくうちにこの記事に行き当たりました。

ただ、読んでみて思ったのですが、この記事はとても長い。

コンポーネントの説明している部分と、ラストでのべた褒め部分は、省略しました。

僕は、そもそも『レジスタンス』をまだプレイしたことがないので、実際に『レジスタンス』をプレイすれば、訳も少し変ってくるかもしれないと思っています。


ところで、この『レジスタンス』。BGGのパーティゲーム部門で、現在(2013年1月12日現在)のところ、9位です(拡張版のアヴァロンは3位!)。『究極の人狼』が8位と少し負けてますが、えらく評価が高いわけです。個人的に興味深いのが評価数です。『レジスタンス』は評価数が"6635"で、パーティゲーム部門では6番目に多い評価数になります。一方、『ミラーズホローの人狼』の評価数が"3986"。『究極の人狼』は"1099"。もちろん人気の度合いが単純に評価数で測られるわけではないですが、本ブログ記事のタイトルにある"海外で人気?!"の部分はそうした背景から記載しました。(人狼の原典である"Werewolf"の評価数が2933で、歴史もありますので、単純にプレイされた量としては、きっと人狼の方が多いのだろうと思います)

ちなみに原題にあります2010年のゴールデンギーク賞パーティゲーム部門は、残念ながら『レジスタンス』は受賞できませんでした。今、日本で話題のあの『テレストレーション』が受賞しています。

ちょうど『レジスタンス』の拡張日本語版「アヴァロン」のニュースがあった事ですし、少し前に訳していたものですが、いいタイミングかと思い本記事をアップしました。(リンク先は、"Table Games in the World"の記事になります)

なお、間違いなどを見つけていただいた方は、ご指摘いただければ幸いです。

では、以下、記事本文です。



Original review in English by EndersGame, translated and reproduced with permission


レジスタンスの紹介


僕たちはみんな、大抵のパーティゲームにつきものである問題を分かっている。そう、だいたい19分44秒くらいまでは楽しいんだけど、そのタイミングを超えると、突然、僕たちは、グアンタナモ収容所の有能なスタッフによる水攻めの方が、このゲームの拷問のような残り時間を過ごすよりも"まし"だと気づく。(そうだよ、クエルフ※1。君のことだ!)マフィアや人狼のように数少ないよく出来たパーティゲームでさえ、問題はあるだろ?例えば、もしゲームの最初の方で脱落してしまったらどうだろう?結局、ゲームに参加できないと、楽しむことはできない。大人数を対象にしていて、みんなをゲームの最後まで参加させ、ルールもとっつきやすく、しかも楽しませてくれる、そんなゲームをデザインできなければ、満足のいくゲーム体験にはならないだろう。もし、そんなゲームがあったら、僕たちは、クエルフやクレニウム※2、ルーザー※3といったパーティゲームの非情な専制からようやく解放されることになるんだ。

※1・・・止まったマスの色と同じカードを引いて、書いてある指示通りのアクションをするというすごろく型パーティゲーム。紹介記事がTable Games in the Worldにありました。リンクはこちら

※2・・・これもクエルフと同じようなお題にチャレンジするタイプのすごろく型ゲーム。紹介記事がTable Games in the Worldにありました。リンクはこちら。というかtgiw.infoのカバー範囲が広くて凄すぎる。以下、ゲーム名へのリンク先は同サイトの紹介記事にリンクを貼ります。

※3・・・このゲームだけ何を指しているのか分かりませんでした・・・


何言ってるんだ?そんなゲームが本当に存在するのか?冗談だろ?そのゲームは何て言うの?レジスタンス?これまでにそんなこと聞いたことない!レジスタンスってつまらないって聞いたことがある、本当にそんなに良いゲームなの?本当に?しかも、知的で洞察力の優れたあらゆるゲーマーが、このゲームを愛していて、何回も何回もこのゲームをプレイしたがっているんだって?うーん、興味が出てきた。その素敵なゲームについてもっと教えてもらえるかな?

いいだろう。レジスタンスは、みんなで話し合って推理するゲームだ。プレイヤーは、自由のための闘士であるレジスタンスか、レジスタンスの作戦を邪魔しようとする弾圧的な政府のスパイか、どちらかの役割を担う。プレイヤー同士は、議論をしたり、騙したり、直観だったりで、敵対勢力のメンバーを暴いて、自チームの勝利を確かなものにする。ポケットサイズの小さな箱の中身は、ほとんどがカードだ。けれど、たったこれだけの小さな箱の中に、信じられないくらいのソーシャルゲーム※4体験の可能性が詰まっている。This is it!このゲームは、最高のパーティゲーム、ソーシャルゲームとして、大人気になる可能性を秘めている。さあ、さらにこのゲームを詳しく見てみよう。

※4・・・本記事では、何回か「ソーシャルゲーム」という言葉が出てきますが、最近日本でも話題のソーシャルゲームとは違って、いわゆる会話型のゲームのことを指すのだと思います。


~以下、コンポーネントや基本ルールの説明を省略~


結論

感想

レジスタンスは高く評価されている。現在(元記事投稿日:2010年12月7日)、BGGのパーティゲームのランキングでは、12位にランクされている。特定のジャンルで、1ダース以内の順位に入ることは、とてもすごいことだ。発売されてから、これほど早く受け入れられたことも注目に値する。さらに評価数が増えても、現在の平均点を維持できれば、人狼やタンブリンダイスのようなすでに確立されたパーティゲームを追い越すだろう。少なくとも、ウィット&ウェイジャーやピッチカーのような名作の成功に匹敵するポテンシャルは持っている。もちろん、これらのゲームにはそれぞれの長所があるが、この小さな箱にも関わらず、レジスタンスがこれらの大作に太刀打ちできないわけではないし、じきに同じくらい大人気になる可能性を秘めている。僕らは来年のゴールデンギーク賞のパーティゲーム部門で、このゲームが健闘するのを目撃することになるだろう。

レジスタンスは、ソーシャル性の高いゲームだ。とても偉大なソーシャル・インタラクティブゲームだと言うだけでは十分ではない。公平を期すために言えば、このゲームの真価を発揮させるためには、いいメンバーを揃える必要がある。しかし、社交的なことや他人との交流(それはしばしば大声になったり、相手を非難するものかもしれないが)が大好きであり、多少の議論や騙し合いに怖気づかないゲーム仲間がいるならば、これは確実にコレクションの一部となるべきゲームだ。これを初めてプレイした夜、僕たちは立て続けに3回もプレイしてしまった。しかも4回目をやりたいという要望がたくさん出るほどだった。まだ真夜中を過ぎてなかったので、その要望は叶えられることとなった。多くの絶叫があり、たくさんの感動的で心からの懇願があった。きっとそれはスパイじゃない誰かの弁解だったろう。そして、山盛りの裏切りと少なくない芸術的な嘘。僕たちは断然、このゲームが大好きだけど、おそらく長くプレイされる間に、いろんなプレイがありえるだろう。この点においては、シンプルだけど本当にお勧めのゲームだ。

レジスタンスは脱落者がいない。レジスタンスは脱落者がいない。人狼やマフィアよりもこのゲームがいい点として、みんながゲームの最後の最後まで残ってプレイできるという点がある。誰も脱落することがないから、他のみんなが楽しんでいる間、ソファーの後ろで黙ってなければならないこともない。ゲームから独立したゲームマスターも必要がない。みんなが最初から最後までゲームに参加できる。これは素晴らしい長所だ。その点において、レジスタンスは人狼よりも優れている。

レジスタンスには推理するための手がかりがある。人狼は素晴らしいゲームだ。実際、僕のお気に入りの1つなんだから。けれど、人狼ではしばしば話し方やレトリックの不足を理由に脱落させられ、告発され、無実の村人が感情的な理由で処刑されたりする。レジスタンスは手がかりとなるデータを与えることでその点を改善している。メンバーの選定に賛成か反対かとか、ミッションを失敗もしくは成功させたチームのどちらに参加していたか、などのデータだ。たいていの場合、このデータだけで、誰がスパイか分かるわけではない(仮にそうだとしたら、このゲームは単なるパズルになってしまう)。しかし、このデータは、プレイヤーにとってレトリックを構築したり、議論や告発をするのに役立つものになる。十分な情報ではないけれど、このタイプのゲームでは必須となるプレイヤー間の議論や討論の土台を提供してくれる。この点が、レジスタンスのリプレイ性を高めている。というのも、口うるさく人格攻撃を繰り広げるようなプレイヤーを当てにすることなく、誰が何に投票したか、なぜ投票したか(これはプレイする度に変わる)という議論に参加できるからだ。

レジスタンスは緊迫感のあるゲームだ。多くの場合、だれがどちらの陣営に属しているか完全に判明させるのは物凄く難しい。最後の投票とミッションに至るまで、全員が意味のあるゲーム参加が可能だ。各ミッションにおける人数を注意深く計算していっても、しばしば、勝利チームが決定しないままゲームは最終ラウンドまでもつれこむ。本当の緊張感は、スパイかレジスタンスのいずれかが何とか2回それぞれミッションを失敗か成功させている時(もしくは両陣営が2vs2になっている!)時にやってくる。最後のミッションは、レジスタンス側の勝利がかなり固いはずだ。プレイヤーが自分がレジスタンスであると信じてほしいと主張し、懇願するとき、このもっとも心動かされる嘆願がなされるときこそ、この緊張感が面白いものになる。

レジスタンス側は勝つのが難しいという面がある。レジスタンス役というのは本当に、本当に難しい。皮肉にも、効果的で情熱的な自由のための闘士としての役割を演じれば演じるほど、他人に実際はスパイなんだろうと思わせてしまう。とはいえ、口数少なく、冷静に振る舞えば、簡潔で論理的なその振舞いがスパイ側の冷酷な行動のようにも見えるだろう。これは、連続して何回かプレイするほどに、どんどんと発展していく魅力的でダイナミックなメタゲームでもある。-だから、あるゲームでスパイとして上手くいった行動があっても、次のゲームではそれが失敗の原因となることがある。なぜなら、その行動や一連の動きは、他のプレイヤーからすると、それより前のゲームで、その人自身がどう振る舞うかを示すものとして理解されるから!これは素晴らしい悩ましさだ!

このゲームは少し面倒だ。言っておくが、これはとても小さな不満でしかない。けれど、ミッションカードの取り扱いはやっぱり少し面倒なんだ。このゲームでは、2つの山を作る。1つは、その時のチームが選んだミッションカードの山。もう一つが、そのチームが捨てたミッションカードの山だ。誰がそのミッションカードを出したか分からないように、両方ともシャッフルしないといけない。気をつけなくちゃいけないのは、カードの裏面のデザインが"非対称である"ということだ。例えば、ある記号がカードの半分側だけにあると、シャッフルしても他のカードと反対の方向に置いたことを誰かが覚えていれば、誰が、そのカードを出したか分かってしまう場合がある。僕たちも、避けられない問題ではないけれど、よりいい方法はないだろうかと思っている。ミッションカードを集めたり、配ったり、シャッフルしたりする専任の人を誰かにお願いするというやり方もあるが、これも部分的な解決方法で、完全に満足のいくものじゃない。まあ、いずれにしても、これがこのゲームで一番の問題ともいえる些細な問題であって、大きな不満ではないのだけれど。

レジスタンスは理解するのが簡単だ。ゲームのやり方は簡単に教えられるし、すぐに初心者の人ともプレイすることができる。少し年齢の上がった子供であれば、なんとかうまくできるだろう。僕たちの経験では、8歳の子だとルールは理解できるけれど、プレイにおける微妙な部分で難しさがあるようだ。少し推理する要素があるからだろう。一方で、10歳以上であれば、ちゃんとプレイできる。これまでいろんなタイプの人、ゲーマーや非ゲーマーともプレイしてきたけれど、どんな時もこのゲームはウケたね。

プロットカードはいい追加要素だ。大人数でプレイする時、よくレジスタンス側には不利な状況になる場合があって、スパイがいないミッションチームを組むのが難しくなる。プロットカードは、参考となる追加情報をプレイヤーに与えることで、この問題を解決する。スパイ側は既に、誰が敵味方かを知っているが、この追加情報により、レジスタンスチームも誰がスパイかを発見する手がかりを得ることができる。良いのは、このプロットカードによって、ゲームが複雑になるわけではないという点だ。レジスタンスを初めてプレイする人がいても、いきなりこのカードを使うことができる。僕たちは7人以上でプレイする時は、必ずこのカードを使うようにしていたが、そうしないと、レジスタンス側が勝つのはかなり難しくなってしまうからだ。

レジスタンスは人狼と比べても勝るとも劣らない。今の時点で、僕らは人狼よりレジスタンスの方が好きだ。まず1つ目の理由として、脱落プレイヤーがいないという点。2つ目は、推理につかえる実際のデータがあるという点。3つ目は、5人という少ないメンバーでもプレイできる点。もちろん、人狼は10人以上でもプレイできるという利点があるし、今でも大のお気に入りであるという点は変わらない。けれど、10人以下の場合だと、レジスタンスを選んでしまう。何回となくこのゲームを遊んだ人がいるけれど、繰り返しプレイしても問題ないようだ。このゲームを知れば知るほど、飽きてくるのではなく、むしろプレイ経験が改善していってより高いレベルになっていくようだ。

このゲームは偉大なシリーズに連なるものだ。これについては、「インディ・ボード&カード」というパブリッシャーに関して、若干述べないといけないだろう。この会社は活動的なBGGerであるトラビス・ワーシントンが経営しており、彼がもっと多くの人に評価されるべきだと思うコンパクトな自費出版ゲームを販売している。まだまだ小規模で、パブリッシャーとしては比較的新しい会社にも関わらず、BGGの最新の話題においてたびたびインディ社の名前が登場している。レジスタンスは、ポストカードボックスシリーズというゲームの1つだ。これは、最近だと、ハギスや三頭政治をリリースしているシリーズでもある。両方のゲームとも相応の大きな注目を得て、早くから好意的なレビューを獲得した。

多くの期待のゲームを作っているということだけでなく、「インディ・ボード&カード」社には実に注目すべきことが1つある。それは、単にゲームを作る人への奉仕活動としてではなく(トラビスは、確かに我々に共通する趣味を愛するゲーマーではあるが)、本物の社会的良心を伴ったビジネスをしている点だ。販売されるあらゆるゲームの最初の立ち上がり時には、「インディ」の人たちは、ヘファー・インターナショナル※5という組織に収益のうちの1ドルを寄付することを誓約している。この組織はアメリカやヨーロッパや第三世界での持続可能な発展を目的とした活動を行う組織だ。慈善事業に寄付するために、自分の収入となるわずかな利益をさらに削る、そういった心意気にこそ本当に注目すべきだ。さらにそのようなやり方で、レジスタンスのような優れたゲームを製作している点も、より注目に値することだ。

※5・・・世界の貧困や飢餓への支援を目的としたアメリカのNPO。公式サイトはhttp://www.heifer.org/


~以下、他の人の評価の紹介(べた褒め成分多し)は省略~


↓Ender氏による写真付きレビューのリストは以下のリンク先にあります。興味のある方は是非!

The complete list of Ender's pictorial reviews

Endergamesimage


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