【ボードゲームレビュー】チューダーの薔薇 ★★☆☆
評価:★★☆☆[2/4](4人プレイでの評価です)
プレイ人数:3~5人
プレイ時間:90分ぐらい
ごちゃごちゃしていても、イイものはイイ!
簡単なゲームの流れ
- ①各プレイヤーは12枚の土地タイルと資金を受け取る。
- ②手番ごとに、タイルを配置して資金を増やしたり、建物を建築したり、わいろを贈ったり、土地を接収したりして、自らの威信ポイントを上げる。
- ③全プレイヤーの手番が1回周るごとに1年経過する。10年で1ラウンドで、10年ごとに勝利点を中間決算する。3ラウンド(30年)でゲーム終了。
- ④10年の間、2回ほど仮面舞踏会が催され、そこで獲得してきた威信ポイントごとに勝利点や爵位を獲得する。爵位は、位ごとに建物建設費用を安くする効果がある。
- ⑤30年後に、もっとも勝利点を持っている人が勝利。
↑やたら濃密なボード絵。これでもかと置かれるコンポーネント。Nobleさを感じさせない迫力。画面上部にいる黄色いコマが後述の女王ゴマ。
↑タイルをつなげて自分だけの庭園を造る。なんとも豪奢。
ゲームの総評
ものすごい詰め込み感。ルールを聞いているだけで、胸やけを起こしそうなほど大量に要素がある。中央のボードには様々な種類のコマが置かれる。また、自分の手元のスペースには、カルカソンヌのように土地タイルを広げていくし、その上にいろいろな効果を持つ建物を立てたりする。
その上、カードまで結構大量にある。(効果は比較的分かりやすいけど)
正直ルール説明を聞いている間、イヤな予感しかしていなかった。しかし、実際プレイを始めてみると……。「あれ?これ、結構楽しい。なんだ?すげー楽しいぞ!」と思った。ちょうどいい具合に、やりたいことがやれないという焦らしを感じさせてくれる。しかも手元では箱庭を作ることもできる。ボードゲームの楽しさが適度に詰まった良作だった。
しかしここまでなら、よくある重量級なボードゲームの一つに過ぎないと思うのだけど、このゲームには一風変わった不思議な特徴が1つある。
女王ゴマの存在だ。
これ、他のプレイヤーの手番を飛ばす効果がある。女王ゴマの効果が発動されても、手番は順番に回っていくので、すごろくで言うところの「一回休み」ほど「飛ばされた感」はない。しかし、女王ゴマの効果が発動されると、手番が一周してなくても、いきなり1年分時が進むのだ。1年はこのゲームでいうところのラウンドを示す。つまり、実質上、手番は飛ばされているのと違いがない。
なんというか、ニムトをやっていて、いつのまにか6番目にカードを置く状況にされたような感覚に近い。「え、もう3年たったの?もう10年目の決算なの?さっきまで5年目だったじゃん、俺、1回しかアクションしてないんですけど」みたいな。
手元の箱庭領地を拡大していくのは、アグリコラのようでもあるが、アグリコラほどコンパクトに纏まった感じではない。テーブルスペース使いまくるなあ、という印象が強く、狭いテーブルだと結構大変そうだ。
しかし、このゲーム面白いのだ。不思議に面白い。こういうゴチャゴチャしたのは、もういいよ、なんて嘯いていた僕だが、やってみるととても楽しい。パワーで押し切られたような感じを受けなくもないのだけれど、それでも素晴らしいと思う。
コンポーネントの猥雑さを含め、Nobleという言葉の対極を行く印象を与えるが、まあ箱絵に偽りなし、という濃密感は十分に感じられるゲームだ。
面白かったので、もう一回どこかで、「元気な時」にやりたいなあと思う。
評価★★☆☆とした理由……ごちゃごちゃしているので、なんというかルールとしての「美しさ」みたいなものは感じられなかった。また、中世のイギリスの貴族というテーマ自体にも縁遠いモノを感じた。このテーマが楽しそう、と思えるならいいかもしれない。あと始めるのに、多少の元気さが必要。
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