【ボードゲームレビュー】iPhone版 ケルト ★★☆☆
評価:★★☆☆[2/4](COMを入れた2~4人プレイでの評価です)
値段:170円(2013年3月17日時点)
プレイ人数:2~4人
プレイ時間:20分ぐらい
iPhoneでやると、妙なわびしさがある。
簡単なゲームの流れ
- ①手札からカードを1枚出すと、自分のコマを1つ進めることができる。
- ②出したカードと同じ色の道を進む。色と進む道はそれぞれ5色ある。
- ③カードには0~10の番号が書かれており、同じ色のカードは昇順か降順のどちらかでしか出すことができない。(2枚目を出した時点で降順か昇順か決定する)
- ④コマを各色の道の先に進めれば、進めるほど獲得できる点数が増える。
- ⑤最後に一番得点を稼いだ人が勝利。
ゲームの総評
ライナー・クニツィアのドイツ年間ゲーム大賞受賞作、ということで本物を買おうかどうか迷った作品。170円で手に入るならと、試しに購入してみた。
確かによくできている。と、まあ、「よくできている」などと巨匠の傑作相手に生意気な意見だが、この言葉特有の引っ掛かり感を利用しないでは、このアプリを語るのは難しい。
電車で暇つぶしするのに、とてもいいゲームだ。なんというか、淡白というか、しかしやっている時は結構一生懸命で楽しいというか、これを機会にやっぱり本物のボードゲームとしてのケルトを買うところまで至らないというか、結局やっぱりよくできているとしか、言い様がないところに落ち着いてしまう。
そう、iPhoneやiPadなどで電源ゲーム化したボードゲームに特有の「ちゃちなものになってしまった」感は否めない。
でも、ゲームを始めるのにとても心理的な壁が低い点は、素晴らしい。「チグリス&ユーフラテス」なんか、結構気力を溜めておかないとスタートできない。それに比べると圧倒的に気軽。先ほど述べたとおり、電車の中の暇つぶしとしては最高だ。
プレイの最初は、抑圧されている感覚がある。我慢できずにカードを出してしまうと、早々に手詰まりしてしまう。もちろん、我慢しすぎてもいけなくて、その辺りのバランスは面白い。しかし、この抑圧感は、実際コンポーネントを触りながらプレイしたら、かなり違ったものになるだろう。iPhone版では、とにかくカードをドローするしかない印象がある。しかし実際にコンポーネントを手で取り、タイルをめくり、願いの石を獲得しながらプレイすれば、この単調なプレイ感は大きく変化するのではないか。
先に進むべきか、堪えるべきか、というジレンマ。そのジレンマを絶妙な魅力としているのは、間違いなくその淡いインタラクションだ。しかしそれが、そのまま薄味に演出されているのは、残念な点だと思う。雰囲気が魅力のゲームをデジタル化するのは、相応の翻案する力、ゲームをデザインする力が必要なのだろう。
ところで、なんかクニツィアのゲームって、「自分のことを理解されてしまっている」感じがして、弄ばれているように思うことがある。クニツィアエンジンみたいなものがあって、人間がゲームを楽しんでしまう構造を、ボードとかコマで実装されているような、そんな感じ。
そんな勝手なイメージのため「クニツィアのゲームは後でやろう(きっと後でやっても面白いだろう)」としてしまっているところがある。今、やっとかないと感が薄いのだよなー。
反面、それは、このケルトもそうだが「クニツィアのゲームは時代を超えていくのだろう」という感覚と言えるのかもしれない。
評価★★☆☆とした理由……できれば、お試しとしてもiPhone版をやらないままに、本物をプレイした方がいいような気がする。本物をやった人だけが、iPhone版をプレイした方がいいような。ちなみに、キャンペーンモードのような一人用モードも入っている。
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