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2013年3月27日 (水)

【日記】ライナー・クニツィアにサインを貰った日

2013年3月23日。お昼。水道橋駅東口近くのハンバーガー屋「I-Kousya(アイコウシャ)」にて。

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妻「で、なんか喋ったの?」
僕「うーん。いや、特には。"Thank you"ぐらいは言ったけど」
妻「せっかくなんだから『あなたの作品で一番好きなのは○○です』ぐらい言えばいいのに」
僕「うん。言いたかったんだけど……。クニツィアの作品やったことないんだよね」
妻「え!?そうなの?あかんじゃん」
僕「えへー、そうなんだよねー。正確に言うと、iPhone版ではやったことあるんだけどさ」
妻「……。不思議だねー」
僕「うん。ホント。わざわざサイン貰いに来るんだからね……。ところでさ、やっぱりFire Houseのハンバーガーの方が……。」
妻「うん。まあね。でも、こっちの方がちょっと安いね」
僕「そうね。まあ、おいしいもんねぇ、ここも」

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3月23日の午前10時。この日、僕は水道橋にあるメビウスゲームズというボードゲーム屋さんに向かった。

ドイツのボードゲーム界において、最も有名なゲーム製作者(ゲームデザイナー)と言っても過言ではないライナー・クニツィア氏。来日した氏のサイン会がそのお店であるからだ。当日購入したゲームについて、その場でクニツィア氏本人にサインしてもらえるという。折角の機会と思い、水道橋に馳せ参じた次第だ。

以前からワクワクしながらこの日を待っていたが、自分でもなぜこんなに楽しみにしていたのかよく分からない。何と言っても、半年前までは名前すら知らなかった人なのだ。これまで芸能人はおろか、作家や著名人のサインなども貰ったことがない。そもそも貰おうと思ったことさえほとんどないのだ。

まあ、ハマりはじめの勢いというのはあるのだろうが、このイベントにワクワクしながら当日を迎えた。

JR水道橋駅の東口から出て、神田川を北側に渡り、左手に進むと目的のメビウスゲームズというお店はある。梅澤ビルという雑居ビルの5Fの小さな店舗がそれだ。

半年前に初めてこの店に来たとき、僕は「ローゼンケーニッヒ」を購入した。折角来店したんだから、という適当な理由で購入したのだが、なかなかこれが面白いゲームだった。その時に店のオヤジさんから「ストーンエイジ」を薦められたが未だに購入できていない。「2人で遊んでも、なかなかいいよ」というおススメの言葉は今でも僕の心にずっと引っかかっていて、心の欲しいものリストに「ストーンエイジ」は残留し続けている。

到着したのはサイン会の始まる11時より少し前。10時45分くらいだった。既に店の前には30人以上が並んでいた。僕は思ったよりも常識的な範囲内の混み具合にホッと胸を撫で下ろして、最後尾にならんだ。

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何人かの方は東京のボードゲーム会で見たことのある人だ。今日この日にそうした人たちと一堂に会したことは不思議だが、そもそもクニツィア氏は遠い空の下、全然離れた海外の地に普段はいる。だから、その本人がこの日本にいることの方がずっと珍しい事態なのだが、僕にはその時そのビルの下で、たくさんの人たちと一緒にいることの方が遥かに不思議だった。普段まったく接点を持っていない多くの人が、サインを貰うという極めてどうでもいい目的のために並んでいるのが、無性に楽しかった。

購入するゲームは既に決めていた。「ヘックメック」と「バトルライン」の2つ。正直言えば、「チグリス&ユーフラテス」にサインして欲しかったのだが、わが家では確実にプレイされない。早々に自分の中では却下されていた。

店に通じるエレベーターに乗る直前に、店員の方が下りてきて入場規制が行われた。店の中が混み過ぎたので、5人ずつくらい交代で昇降するようにお願いされる。メビウスゲームズは確かに大きなお店じゃない。でも、そこがいっぱいになっている。どうやらクニツィア氏が非常に丁寧に1つ1つサインをされているとのこと。みんな表情にそれほど出さないが、ニコニコしながら待っていた。

待機列が進み、ようやく店舗に入ると、20人弱程度の人がサインをしてもらうために並んでいる。「クニツィアフェア」と書かれた棚には、クニツィア作品が並んでいる。僕は目的の「バトルライン」がなくて、少し焦ってしまった。しかし在庫は十分に用意されていて、目的の2つの作品を無事購入することができた。

まずはレジを済ませ、サインのための列に並ぶ。お店から鋏を借りて、シュリンクのビニールを取り、どこにサインをしてもらうか考える。クニツィア氏の名前と日付を入れてもらおうと思っていた。"To ○○"みたいなのは要らないと思った。

僕は少し書きにくいと思ったのだが、箱のカバー裏に書いてもらうことにした。本来なら、箱の表面に書いてもらったりする方が、「らしい」のかなと思ったのだけど、サインも箱のデザインもそのままであることが良いのじゃないかと思った。

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クニツィア氏は本当に丁寧にサインをされていた。しかも、サインが終わり立ち去る前には、わざわざ立って一人一人の握手に応じている。最後までそうだったのかどうか分からないが、なんか来日早々に疲れさせてしまっているようで、申し訳ないような気分にもなった。
そんなことを思いながら自分の番が来て、淡々とサインをしていただいた。握手もした。特筆すべきこともなく僕の手番は終わった。

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メビウスママに一言「お疲れ様です」と声をかけられてよかった。その日は本当に大変そうだったから。

別にどうということもない出来事。そんな淡いイベントだったが、僕には新しいゲームを買う興奮がそもそもあり、その気持ちをジンワリと刺激する快感があった。「サイン貰ったよ」とTwitterで呟いた。あー、なるほど、Twitterってこうやって使うのか、と改めて思ったりした。

少し遅れて到着した妻と娘の3人でトーキョードームシティをぶらりしてから、昼食を取った。おなか一杯になって、水道橋から少し長めの散歩を秋葉原までして、電車で帰った。帰りの道中、手に持っている2つのボードゲームの重みが楽しくて仕方がなかった。

静かな興奮が心地いい一日だった。

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