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2013年4月21日 (日)

【ボードゲームレビュー】(株)ゴブリンズ ★★☆☆

Goblins_01

評価:★★☆☆[2/4](4人プレイでの評価です)

プレイ人数:2~4人

プレイ時間:60分ぐらい


ボード上で、巨大ロボットの格闘戦が表現できるとは思わなかった。

簡単なゲームの流れ

  • ①部品タイルを集め、2人1組でお互いに協力して巨大ロボットを建造する。
  • ②ロボットを建造したら、各自このラウンドにおける秘密の目的を決定する。
  • ③ロボット格闘を開始する。一人がロボを操縦。もう1人がアイテムを選択。
  • ④相手のロボットを交代で攻撃する。攻撃を受けた部分のタイルは剥がす。
  • ⑤規定ラウンドの戦闘終了後に、秘密の目的も含めて点数計算。規定ラウンド後に勝利点が最も高い人が勝ち。

Goblins_02

↑ボード上に置かれているのが建造したロボット。うまく絵柄がつながるようにタイルを繋げて配置することで、自分だけのデコボコロボットが完成する。


ゲームの総評


この「株式会社ゴブリンズ」というゲームの凄さは、自分が「巨大ロボットを操縦している」とわりとマジで思えるところだ。テレビゲームで巨大ロボットを操縦するゲームは多い。その中でも『リモートコントロールダンディ』以来の「ままならない」ロボットを操縦する感覚にこのゲームは似ている。

ボードゲームでその「ままならなさ」を実現するのが凄い。それをどう実現するのか、僕には到底思いつかない。

このゲームではどうやってロボット操作を演出したのか。主な要素は2つあって、1つは「体の向きを変えるアクション」の導入だ。「体の向き」というのはいい。いかにも巨大ロボット感が出る。何よりこのアクションは、戦闘における防御にも攻撃にも影響があり、戦略的に複数の意義があるのが凄い。

もう1つの要素が、二人で操縦する、という仕組み。つまり、自分1人でロボットを操作するだけだと、どうしてもそれは単なる計画したアクションにしかならない。しかし、相方と一緒に操作することで、自分の計画が少しだけ狂うのだ。(少し、というのもポイント)

このため、いかにもヒーコラしながら巨大ロボットを操縦しているような気分になる。「操縦のままならなさ」を構築する仕組みにつくづく感心してしまった。

そんなわけで、このゲームは、2人1組でのチーム戦である。しかし、ちゃんと4人の勝負になるよう「秘密の目的」という要素が盛り込まれている。最終的には何ラウンドか巨大ロボット同士の戦闘を繰り返すのだが、そのラウンドごとに「秘密の目的」による点数計算も行う。秘密の目的には「相手チームが勝利したら4ポイント」というような、自チームの敗北によって勝利点を得られるものも含まれている。

そのため、同じチームであっても点数に差が出てくるのだ。そういった不穏な「秘密の目的」を隠し持っているかもしれない仲間は、もしかすると、戦闘自体は負けることを望み、戦闘の他の要素で点数を稼げればいいと思っているかもしれない。

ホントよく出来ているゲームだと思う。

けれど、なんというか、今ひとつ、僕はテーマに乗りきれなかった。ゴブリンとロボットという食い合わせが悪いからか、自分がこれまで蓄積してきたファンタジーとロボットの世界の、どの部分とも接点が持てなかった感じだ。

テーマさえ乗れれば、もう少し夢中になれたようにも思う。

巨大ロボット好きの日本人がこのテーマでボードゲームを作ったらどうなるのだろうか、そんなあてどない想像をしてみるのも面白い。


評価★★☆☆とした理由……いろいろと盛り込み過ぎてて、焦点が定まらない感じ。1つ突き抜けた面白さが欲しい。しかし、ゲームとしての完成度は高いので、もう一度がっつり考えながらプレイしてみたい。

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