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2013年5月19日 (日)

【ボードゲームレビュー】スティッヒルン/ハットトリック ★★★☆

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評価:★★★☆[3/4](4人プレイでの評価です)

プレイ人数:3~8人

プレイ時間:30分ぐらい


トリックテイキングの洗礼。

簡単なゲームの流れ(スティッヒルン)

  • ①各プレイヤーは15枚のカードを手札に持つ。カードは5色あり、数字は各色0~11である。(4人プレイの場合)
  • ②最初に、手札から1枚のマイナスカラ―を選択して場に出す。このカードと同じ色はそのプレイヤーにとって失点となる。
  • ③トリックテイキング開始。最初に出した人の色(=リードの色)と異なる色を出すと、数字に関係なくそのカードの方が強いカードとなる。リード以外の色同士では、数字の高いカードの方が強い。全員が1枚ずつカードを出したところで、一番強いカードを出した人が、出されたカード全てを獲得する。
  • ④獲得したカード枚数分が点数となる。マイナスカラ―のカードはその数字分失点となる。
  • ⑤何ラウンドかして、最も点数の高い人が勝ち。

簡単なゲームの流れ(ハットトリック)

  • ①各プレイヤーは15枚のカードを手札に持つ。カードは3色あり、数字は各色0~21である。(4人プレイの場合)
  • ②トリックテイキング開始。場には2色までしかカードを出すことができない。つまり、2色のカードが出た段階で、それ以降のプレイヤーはどちらかの色と同じカードを出さなければならない。ただし、パスもできる。
  • ③場に2色のカードがあれば、各色で最も数字が大きい人がその色のカードを取る。つまり、1回のターンでカード獲得できるの人が2人いる変則的なトリックテイキング。
  • ④一番多く集めた色の枚数が点数になる。2番目以降の色のカードは枚数分失点になる。また、パス1回につき、-2点。
  • ⑤何ラウンドかして最も点数の高い人が勝ち。

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ゲームの総評


まいった。本当にまいった。トリックテイキングというジャンル名だけは、以前から聞いたことがあった。「マストフォロー」なんていうタームがかっこいいなあーととても頭の悪い感想しかもっていなかった。

トリックテイキングのことを「大富豪やUNOのようなゲームかしら」と最初は思っていた。手札からカードを1枚ずつ出していく流れは大富豪やUNOと同じだ。しかし、トリックテイキングの場合は、全員がカードを出した後、その中から一番強いカードを出した人がそのラウンドの勝利者となる。この各ラウンドのことを「トリック」と言う。そう、まさに「トリックをテイクしていく」ゲームだ。だからUNOのように手札を最初になくした人が勝ちではなく、何回か行われるトリックで最も効率的に勝利点を獲得した人が、最終的な勝利者となる。

なんとも淡白な印象。Wikipediaのトリックテイキングのページを見て、こうした概要を知っても、どう面白いのかあまりピンとこなかった。

しかし、今回初めてトリックテイキングをプレイして感動してしまった。

トリックテイキング凄い!というか世の中すべてトリックテイキングでいいんじゃないか、みたいに思い込むほど楽しかった。まあ、そんなわけで衝撃的なトリックテイキング初体験だったのだ。ひたすら楽しく、そして面白かった。

考えて、考えて、考えつくして出した答えが、出した後に全く間違っていることに気付く悲劇。何を出していいか分からず、最後には手札の一番右端にあるカードを思わず出してしまいそうになる切なさ。ジレンマがボードゲームの魅力だとしたら、それをひたすら味わせ続けるマゾヒスティックな展開。

このスティッヒルンという商品は、「スティッヒルン」と「ハットトリック」という2つのゲームが遊べるようになっている。両方ともむちゃくちゃ面白かった。後々調べてみるとトリックテイキングとしては変則的なゲームのようだ。

どちらも面白いが、理解しやすいのはハットトリックの方だろう。これをプレイして、トリックテイキングでは、各ラウンド(トリック)で1番を取ることが常に最良ではないことを知った。1番を取らないと点数にならないのだけど、1番にはデメリットもある。ゲームのシンプルで巧妙なルールにプルプルしてしまう。

一方、スティッヒルンの方はとにかく難しい。ハットトリックでは、前に出されたカードによって、出せるカードが限定される。UNOであれば、「数字か色のどちらかが前と同じでなければならない」という、いわゆるフォローのルールだ。

しかし、スティッヒルンにはそうした制約が一切ない。「マストフォロー」の要素が一切ない。そのため、どういう意図でそれを出したのか、何を考えているのか、あらゆる可能性が想像できて困ってしまう。

まさしく「自由の刑に処されている」状態。自分が何をしたいのか、完全に自由であるはずなのに何を求めてこのカードを出すのか分からないままに、カードを出すことになる。

この浮遊感がたまらない。地に足がついていない不安を覚える、その面白さ。

ちなみにこの「スティッヒルン」。絶版のようで、全然売っていない。今、これが欲したくて仕方がない。けれど、どこにも売っていない。欲しい。買いたい。売っていないと分かると余計に欲しい、そんな翻弄されやすい自分には最高に面白いゲームだった。トリックテイキング凄い。スティッヒルン凄い。

評価★★★☆とした理由……気分的には★4なのだが、なんせトリックテイキング初体験なのだ。もっともっと色々知ってから★4にしても遅くないだろう。自分に対する警戒を含めつつ、またゴテゴテしたバカそうなゲームが基本的には好きだと言う自らの性根に配慮して、この評価とした。

■補足1……今回ハットトリックにおいて、最終ラウンドの扱いを誤ってプレイしてしまったような気がする。最終ラウンドはカードをプレイすることなく、自分のカードとして点数計算する。なるほど。

■補足2……ハットトリックで一番強いカードが同じ数字の場合、次に最初にカードを出す人(リード)は誰からか。説明書には「2番目の数字のカードを出したプレイヤー」と書かれている。しかし4人プレイの場合だと「赤10、青10、赤8、青8」みたいな状況に十分なりうる。そのため、今回のプレイでは、2つ目のトリックを作った人(2色目を初めて出した人)とした。これなら確実に確定する。

果たしてどうするのが正しいのだろうか。そこで、上記の点を伝えた上で、メビウスゲームズさんに質問したところ、以下のように回答を頂いた。

「ルール上は、確かに確定できない場合がある。その際は1番になった二人の間で元リードに近いひとが次もリードを取る、としてはどうか」と。なるほど、それでもいいかもしれない。あまり頻繁にあるケースではないだろう。しかしトリックテイキングにおいて「次のスタートプレイヤーが誰か」はとても大事な部分だ。念のため、メンバー内でプレイする前に確認しておいた方がいいかもしれない。

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