【ボードゲームレビュー】ぴっぐテン ★★★☆
評価:★★★☆[3/4](4人プレイの評価です)
プレイ人数:2~8人
プレイ時間:15分ぐらい
なに、この楽しさ、気持ちよさ。
簡単なゲームの流れ
- ①各自手札は3枚。カードには0から10の数字が書かれている。
- ②順番にプレイヤーが手札を1枚ずつ出していくが、既に出されているカードの合計値を宣言しながらカードを出す。出したら山札から1枚手札を補充する。
- ③カードを出した時に、ちょうど合計値が10になれば、「ピッグテン!」と言って、そこに出ているカード全部を獲得できる。
- ④合計値が10を超えるとバースト。手番が1つ前の人が場に出ているカード全部を獲得できる。
- ⑤山札を含め、全てのカードが出された時点で、最も多くの枚数のカードを持っている人が勝ち。
ゲームの総評
豚である。なぜ豚なのか、よく分からない。別にこれゾンビでもいいだろうな、と思う。デッド10とか言って。でも、豚であるのは製作者の陰謀だと思う。豚だと思って油断したところを突く!みたいな。不意を突かれたからか、めちゃくちゃ面白かった。
ノイというゲームにとても似ている。でも僕はノイより楽しかった。ノイの特殊カードはバリエーションがあるように見えて、そのどれもが攻撃を100%防ぐ盾という点において同じだ。もちろん、ノイはノイで面白いが、「どれでもいいから特殊カード持ってれば強い」という大味なところが、少し不満だった。
一方、ピッグ10における特殊カードには派手な効果は一切なく、妙に品がいい。特殊効果のカードには、それを出したプレイヤーにメリットがあるだけでなく、全員の得点源を増加させる効果がある。特殊効果カードが出ることで、より高得点で射幸心を煽るゲーム展開になる。
何より素晴らしいのが、ちょうど合計が10になる気持ちよさとその気持ちよさに報いるように得点が得られるこの流れだ。こちらの海外レビューでも書かれているが、ちょうど10になった時、「ピッグテン!」と叫んで得点する気持ちよさは圧倒的。語呂もいい。
いずれにしろ、こんなに楽しいゲームだったとは。豚だと思って完全に舐めていた。やられた。まったく。
ピッグ10は運ゲーだと思う。考えどころや戦略はそれほどない。常々、ボードゲームは大人のための思考・戦略ゲームだと思っていて、ボードゲームの魅力を語る際はその戦略性こそ声を大にして伝えたいと思っている。しかし、このゲームは2011年の日本ボードゲーム大賞を受賞していて、とても評価されている。僕は、日本でピッグ10が高く評価されていることが、変な言い方だが、少し誇らしいような気さえする。普段はボードゲームの持つ戦略性を貴びたい僕も、なぜかこのゲームが評価されているのを聞くと嬉しくなる。先のレビューを信じれば、北米アマゾンでは購入できなかったことが象徴的なように、アメリカではさほどこのゲームは普及していない(現時点では、マケプレで購入可能な模様。しかし、レビューは未だ1つも付いていない[2013.06.15現在])。BGGでも特に目立っていないからこそ、余計にそう思うのかもしれない。
ピッグ10はみんなでワイワイと楽しむパーティゲームであるのはもちろんだが、単にそうではなく、このゲーム自体が優れて楽しませてくれる構造を持つ傑作であることも事実なのではないかと思う。まさしくあの「ピッグテン!」の掛け声を含めて。
評価★★★☆とした理由……ホント豚のくせに、面白い。傑作。
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