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2013年7月27日 (土)

【ボードゲームレビュー】ウントチュース ★★★☆

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評価:★★★☆[3/4](5、6人プレイの評価です)

プレイ人数:4~6人

プレイ時間:30分


名作感の漂う傑作カードゲーム。

簡単なゲームの流れ

  • ①カードには1~15、-5、-10の数字が書かれている。(5人プレイの場合)手札は8枚でスタート。
  • ②山札から何枚かカード(プレイヤー数より1枚少ない)をめくり、共通場に並べる。これが「勝利点のカード」になる。
  • ③全員が同時に1枚のカードを場に出す。一番低い数字(合計数)の人が、最も低い「勝利点のカード」を獲得する。「勝利点のカード」を獲得すると、ゲームから抜ける。これを残り2人になるまで繰り返す。
  • ④残り2人になると、場の「勝利点カード」は1枚になっている。最後は、出したカード(合計数)が最も高い人が「勝利点のカード」を獲得できる。
  • ⑤2回山札を消化して、最後に最も勝利点が高い人が勝ち。

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ゲームの総評


2位になると一番損になるゲーム。こう聞いただけで「傑作だろう」と思ってしまう。なんとも分かりやすいコンセプト。そして実際にプレイすると、カードを出す時の悩ましさが楽しくてしょうがない。

このゲーム、2位に陥ってしまった人をイジるというとても不埒な楽しさに満ちている。2位になるということは、できる限り高い順位を狙おうとして、最後の最後で失敗して2位になってしまったということだ。2位になってしまった敗者をみんなで「やーい、やーい」と仲良く嘲笑うぐらいが面白い。1番の人間は叩けないけど、2番目は叩いて遊ぶなんて、なんとも嫌らしい社会の縮図のようにも思えるが、実に面白いシステムだ。

ウントチュースの醍醐味の1つは、同数になってしまった時のルールだ。一番小さい数が同数で2人出てしまった時、その2人だけで再戦を行うのではない。全員を巻き込んでの再戦になる。再戦になることで本来出すつもりのなかったカードをもう一枚出さざるを得なくなる。こうして全員のカードの出し方の計画が微妙に狂ってしまう。ゲームの展開がドラマチックになる重要な要素だ。

隙のない名作だと思うのだけど、1点だけ欠点が挙げれば、計算がちょっと面倒なこと。暗算が得意なら大したことはないのだろうけど、試合が進むにつれて足す数が増えていき、誰が一番小さい数なのか(or大きい数か)分かりづらくなる。みんなで声を出して、自分の現在の合計数を言い合うぐらいがいいかもしれない。まあ、これは欠点と言うほどでもないか。

些細なことかもしれないが、このアートワークが個人的にとても好き。

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ちょっと間が抜けているようで、目の奥の方でニヤニヤしていそうな小憎らしいキャラクター。ゲームの内容にも、とてもマッチしているキャラだ。

巨匠ワレスの作った傑作ゲームの1本だ。


評価★★★☆とした理由……これは楽しい!ニムトやゲシェンクと肩を張れる傑作カードゲームだと思う。計算の若干の面倒くささと4~6人という必要プレイ人数の多さが多少の難点だが、この堂々たる感じはさすが。

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