【ボードゲームレビュー】ひもサバンナ ★★☆☆
評価:★★☆☆[2/4](5人プレイの評価です)
プレイ人数:3~5人
プレイ時間:30分
シビアなひも。
簡単なゲームの流れ
- ①テーブルには動物のイラストが描かれたカードがたくさん置かれる。
- ②各自の手番では、輪っかの形状になったひもで動物カードを囲み、捕まえる。
- ③捕まえた動物の数に応じて、事前に選択した調査カード内容(肉食獣1匹あたり2点とか)に従った得点計算をする。
- ④ひもで囲んだ動物のどれかに調査コマを置くことで、更に最後の得点計算で勝利点がもらえる。
- ⑤5人の場合、全4ラウンドで終わり。一番得点の高い人が勝ち。
ゲームの総評
輪っかになったひもを渡され、そのひもで動物カードを囲む。多くのカードを囲むと高い得点になる。できるだけ多くの動物を囲みたいけれど、カードを動かしてはいけない。ひもが中途半端にカードにかかったりすると、そのカードは得点にならない。昔こんな遊びをしたことがあるような気さえする。どこか懐かしい気持ちになるゲームだ。
素敵なのは、小さい子どもでも遊べる点だ。様々な動物の名前が覚えられるという教育的要素もある。ここまで完成度を高めて、1つの商品として作り上げられているのは凄い。たとえこのコンセプトを思いついても「モノにならない」商品に陥る可能性は十分にある。つくづくこの完成度で作り上げられていることが凄い。
そう思う反面、なんというか、その、このゲームが醸し出す妙な空気というのは何だろうと思ってしまう。さっきまで凄く楽しくひもでカードを囲う遊びに興じていたはずなのに、自分の手番が終わると賢者タイムが始まったように冷静になってしまう。
この落差の激しさが非常に強く心に残った。
手番でやれることが多いのも1つの要因かと思う。自分の手番でやれることのメインはもちろんひもでカードを囲むことだ。それ以外に、調査カードを選択する。自分の持つ動物カードを置く。そして、調査コマを置く。この残り3つのアクションは全てゲームの勝敗に丁寧に関連しあっている。頭ではそれらのアクションが勝敗に密接に関わることは分かるのだけど、その関わり方がいかにもよそよそしい。実態としては、ひもを置くところで頑張り過ぎて力尽きてしまい、残りのアクションがゆるふわになる。
だから、「ひもで動物カード動かしちゃった?まあ、別に良いんじゃない?」てな感じで、疲労感と共になあなあになっていく。自分に厳しく、他人に甘い。このゲームをやっているとボードゲームで激しく他人と闘い合うという事実が遠いおとぎ話の世界の話じゃないかと思ってしまう。それはそれで僕としてはとても好ましいことだと思うのだけど。
ほんわかプレイが自然とできてしまうゲーム。けれども、ひもを置いている時の集中力たるやなかなか激しい。1回のゲームの中で、シビアな印象とライトな印象が共存する。その全く異なる印象が融合することなく、そのまま存在している感じが、このゲームのプレイ感を強く印象づけているように思う。
評価★★☆☆とした理由……高い集中力で熱くなる時と冷静に点数計算する時の温度差に最後まで奇妙な感覚が残った。でも、楽しい。
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