【ボードゲームレビュー】モンスター画家 ★★☆☆
評価:★★☆☆[2/4](7人プレイの評価です)
プレイ人数:4~30人
プレイ時間:20分
お絵かきの二人羽織。
簡単なゲームの流れ
- ①1人1枚、紙を受け取る。紙には、正面を向いて立つ人の絵が雛型として薄く描かれている。
- ②各自、一人有名人を頭の中で決めて、紙の裏面にその人の名前を書く。
- ③紙を縦に半分に折り、思い浮かべた有名人の左半身を描く。
- ④書き終わったら隣の人にその紙を渡し、その人は裏面の名前を確認して、その右半身を描く。
- ⑤書き終わったら広げて、それが誰を描いた絵かをみんなで当てる。当てると得点。最も得点が高い人が勝ち。
ゲームの総評
カラオケで歌うのは恥ずかしいのだけど、絵を描くのは結構平気だ。どちらも同じくらい下手なのに、この違いがあるのはなぜだろう。絵の場合は、下手であることでむしろ、そのゲームを盛り上げる役割を担えている、と思いやすいからかもしれない。苦手な人も多いだろうが、個人的にお絵かきゲームはとても楽な気持ちで参加している。
いろいろなお絵かきゲームをやったが、その中でもモンスター画家は圧倒的に軽い。元々軽いノリのお絵かきゲームというジャンルの中でも最軽量モデルと言えるだろう。「ちょっとやってみる」ことがとても簡単にできる。気軽さが重要という場面は結構多い。そういう意味で、モンスター画家はとても「使えるゲーム」だ。
このゲームに付属している紙には、人の雛形が薄く描かれている。この雛形に合わせてみんなが何かしらの有名人を描く。でも、この雛形にどうしても自分の思い描く有名人の姿形は合わない。「僕の思い描く関羽はこんなに頭デカくないんだ。どうやって描けばいいんだ」という悩みが実にどうでもよくて楽しい。
まず一人目が左半身を描き、隣の人が右半身を描く。お互いがどんな絵を描いたか見ないで描くため、完成した絵はモンスターというより、むしろクリーチャー。時に奇怪な化け物が産まれる。しかしどれも性根は悪くなさそうで、怖くないモンスターばかりだ。
描く対象によっては、特徴的なアイテムを持っていたりする。チャップリンであれば杖、西郷隆盛なら犬とか。こういう特徴的なアイテムを二人とも描きこんでしまったりすることがよくある。描いた2人とも大真面目なのに、両手に杖を持った変なチャップリンが出来上がる。シンメトリは自然界ではむしろ不自然なんだという。そんな話は聞いたことがあったが、左右対称というのはとても分裂的でもあるのだと改めて思った。別の人間が書いているからこそ、時折そうした気味の悪い左右対称性が出現してきて、それが面白い。
このゲームが凄いのは、下手な絵が上手な絵を簡単に駆逐してしまうところだ。だから、正直言うと絵が得意な人には申し訳ない気分にもなる。でも、そういう乱暴なシステムがとてもいい作用をもたらしている。予想に反して「ちゃんとした絵」になることも時にある。それもまた可笑しい。とっても粗野な面白さだけれど、モンスター画家は値段だけでなく、ゲームとしての存在感もリーゾナブルだと思う。
評価★★☆☆とした理由……面白い。ゲームとしてのスケールがその面白さにピッタリとハマっている感じ。600円ならホント買い。
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