【ボードゲームレビュー】ムガル ★★☆☆
評価:★★☆☆[2/4](4人プレイの評価です)
プレイ人数:3~6人
プレイ時間:45分
ミニ株式。
簡単なゲームの流れ
- ①一人一枚の株券を持ちスタート。持っている株券はすべて公開。
- ②山札から1枚株券カードをめくり、全員が持っているコインでそのカードを競る。
- ③落札した人はそのカードを取得するか、そのカードに指定された種類の株券の売却権を得る。
- ④プレイヤー全員で持っている数が多い株券ほど高く売却できる。
- ⑤山札から暗黒の木曜日カードがめくられたら終了。最も獲得ポイントの多い人が勝ち。
ゲームの総評
これは面白い。すごくシンプルなのに、いわゆる株っぽい世界がちゃんと表現されている。みんなが多く集める株券ほど高く売れる。そして、みんなが売れば売るほど、その株券の価値は下がっていく。「売り抜ける」という言葉がちゃんとゲームで実現されていて、売り時を見誤ると大損してしまう。こうして口にするのは簡単だが、それが見事に形になっているのは凄い。何よりちゃんと面白いのが素晴らしい。
ただ、面白いは面白いのだが、すごく理性的でないとダメなゲームでもある。というのも、競りで使うコインの価値が勝利点の5分の1の価値しか持たない。なんとなくコインという形のある物を触っていると、本能的にはそれを集めたくなってしまう。しかし、当然ながら、ちゃんと株券を売って勝利点(ポイント)を稼がないとゲームには勝てない。ちなみに勝利点はボードの周囲に描かれた得点トラックにコマを置いて示す、あのよくあるタイプの奴だ。
色々なところで言及されているとおり、ムガルはゲシェンクに少し似ている。しかし、この勝利点とコインに対する感覚がゲシェンクとはかなり違う。ゲシェンクにはジャラジャラとコインを集める快感があった。で、ゲシェンクでも実際はカードによる減点が大きいとどれだけコインを持っていても勝てないのだけど、もはやそういうことはどうでもいい程、コインを得る快感を野放しにしているところがあった。
一方で、ムガルの場合、コインというコンポーネントが魅力的なのに、それに囚われすぎてはいけない。コインの快感におぼれることを許さない厳格さがムガルにはある。で、この厳格さはゲームとしてはとても正しいし、まさにこうでなくてはいけなかったのだろうと思う。
でもね、なぜかコインを見ると、弱い自分はついつい集めたくなってしまう。
評価★★☆☆とした理由……二回目をぜひやりたくなるゲームだ。ただ、とても渋いゲームなので、若干批評的な味わい方が求められるかな、という気もした。
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