【ボードゲームレビュー】ブラックスワン(牌Ver) ★★☆☆
評価:★★☆☆[2/4](4人プレイの評価です)
プレイ人数:2~4人
プレイ時間:30分
押し付け合いの醍醐味。
簡単なゲームの流れ
- ①各自14枚の牌を持つ。牌には、トランプと同じような数字とスートが描かれている。
- ②時計回りで順番に自分の牌を場に出していく。複数枚の牌を一度に出す際は、同じ数字か同じスートで連番でなくてはいけない。
- ③場に7枚目の牌を出した人が、出ている全ての牌を引き取る。
- ④牌には得点があり、10以上やエースはプラス得点。ジョーカーやブラックスワンの牌はマイナス得点。
- ⑤(4人プレイの場合)正面の人とチームを組み、何ラウンドかゲームした後、500点以上獲得したチームが勝利。
ゲームの総評
とてもシンプルながら盛り上がる。
二人一組になってチーム戦で闘うというのは、「ごいた」にも似ている。ごいたと同様、正面のチームメイトに見えないパスを送るゲーム展開が楽しい。「この牌出したよ!うまくさばいてね!」と心の中で叫び、こちらとしてはいいパスを送った気になっても、相手の手札がそれにうまく合致しないと逆にやられてしまう材料になる。
ブラックスワンという特殊な牌があり、これは-100点という超乱暴な特殊牌だ。一気にこちらの得点が奪われる。このお邪魔な牌を相手チームに押し付けつつ、こちらは得点を重ねるのが、まずは基本。しかし、この牌を出すのがとても難しい。いつこの牌を切るか?この決断の重さに苦しむ姿が傍から見ていて大層面白い。誰がブラックスワンを持っているのか最初は分からない。しかし次第に苦しみ始める奴が大抵ブラックスワンを持っている。早々にブラックスワンを切ってしまうのが良さそうなのに、やはりこれがなかなか切れない。逡巡してしまう。
ゲームのシステムとしては別にカードであっても全然問題なさそうだが、コンポーネントがマージャン牌になっている点がニクい。(というかそもそもカード版ブラックスワンがある)。コンポーネントとしてマージャン牌は大げさすぎるんじゃないかという気もするが、「うーむ」と悩むその姿にやっぱり牌は似合う。牌のおかげで「このゲームを遊んだぞ」という実感というか質量みたいな感覚は強く残る。とは言え、牌にハートやらスペードやらのライトなイラストがプリントされているのは、少し滑稽な感じもする。
雀牌を使ったトリックテイキングというある意味トラディショナルな要素を複数併せ持ったゲームだが、その要素の食い合わせが変わっているため、イロモノという印象もある。しかし、そんな怪しげな第一印象からは想像できないほどに、遥かに盛り上がりやすい良ゲームだった。
評価★★☆☆とした理由……4人でちょっと時間が空いている、という時に遊びたい。ルールも中々に良い。無骨な印象もあるが、予想以上に面白かった。