【ボードゲームレビュー】なつのたからもの ★★☆☆
評価:★★☆☆[2/4](5人プレイの評価です)
プレイ人数:3~5人
プレイ時間:15分
美しくて、なぜか切ない。
簡単なゲームの流れ
- ①各自手札は0枚からスタート。手番では山札を上から順番に一枚一枚めくる。
- ②めくったカードを並べ、中から一枚選んで獲得するか、同じ種類のカードを2枚めくってしまったら、手番が終わる。
- ③同じ数字のカードを手札に3枚獲得したら、公開することで10点獲得できる。
- ④全ての山札がめくられたらゲーム終了して、得点計算。手札にある同じ種類のカードは最も得点が高いカードが自分の点数になる。
- ⑤手札にある点数と公開で獲得した点数を合計して、最も高い得点の人が勝利。
ゲームの総評
手札が一枚もないところからゲームが始まる。山札を切り、デッキを場の中央にデンと置く。このデッキ自体が宝物の山のような気がしてくる。
山札を一枚一枚めくり、同じ種類が出たところでストップする。この手順は、『酔いどれ猫のブルース』でも使われていた手順だ。二つのゲームの作者は同じライナー・クニツィア。『酔いどれ猫』は競りゲームであったが、こちらは少し違う。とはいえ、どこでやめるべきか、という悩ましさのジレンマは同じぐらいに楽しい。
本作は、元々は「ノミのサーカス」という名前だったそうだ。ゲームシステムはそのままに「なつのたからもの」はイラストを一新したものとなっている。個人的には、元の「ノミのサーカス」のイラストよりも、こちらのリメイクの方がステキに思える。なんと言っても「なつのたからもの」である。これはもう名前だけで「集める」ものだと分かる。
「なつ」にも「たからもの」にも直接的には「集める」という意味は含まれない。しかし「なつのたからもの」と言われれば、「集める」ものだと誰でも理解できる。その意味で見事なタイトルだ。また、こんなセンチメンタルなタイトルにも関わらず、イラストは情緒的になり過ぎず、抑制が効いている点も素晴らしい。
このゲームを遊んでいると、不思議とセミの鳴き声が聞こえてくるような気がする。日本人にしか伝わらないテーマかもしれないが、だからこそ日本のメーカーが作るべき素晴らしいリメイクであるように思う。
評価★★☆☆とした理由……「なつのたからもの」は実にルールも簡単で、なじみ深いイラストも魅力的だ。決して楽しさに夢中になる作品ではないが、愛おしい感じがする。正直★3にするかかなり迷った。
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