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2014年5月14日 (水)

【ボードゲームレビュー】太陽と月 ★★☆☆

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評価:★★☆☆[2/4](4人プレイの評価です)

プレイ人数:2~4人

プレイ時間:20分


アートワークの力。

簡単なゲームの流れ

  • ①2人1組みのチームを組む。各プレイヤーは自分の前にそれぞれカードを出す場を持つ。
  • ②自分の手番で、カードを一枚、自分を含めたどのプレイヤーの場にも出すことが出来る。
  • ③ただし、既に出されたカードに隣接させて、右隣なら大きい数字、左隣なら小さい数字になるように出さなくてはならない。
  • ④5枚以上自分の場にカードが並べば、得点化できる。
  • ⑤得点をより多く得たチームの勝利。

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ゲームの総評

アートワークが素晴らしい。この魅力だけで遊べる。少し乱暴だが、そう言ってしまえる魅力が「太陽と月」にはある。


二人一組になる対戦ゲームというのは、システム自体に楽しむための大きなアドバンテージがある。「ごいた」や「ブラックスワン」でもそうだったが、協力と対戦が一緒になっているため、対戦相手と仲間との二種類のコミュニケーションが一度に楽しめる。


例えば、このゲームでは、対戦相手に直接的な攻撃をすることができる。自分の手番で相手のスペースにカードを置く。これはいわゆる妨害行為で、明確な直接攻撃だ。カードのイラストは、アフリカの大地のような悠然としたイメージでありながら、こうした攻撃的なスタイルがこのゲームの醍醐味だ。しかし、直接攻撃とはいえ、自分一人で戦うわけではない。とても不思議だが、仲間がいると誰かを直接攻撃する際のシビアな感じが若干やわらぐ。「よーし、これで邪魔してやるぜ!」「いいね!」という仲間とのやりとりが、場の雰囲気を和ませてくれる。チーム戦には、そういう効果があるように思う。


また、開始直後は、勝負がワンサイドゲームになってしまうのではないかと危惧したが、終わってみれば意外に接戦になった。良い意味で、ゲーム全体から受ける印象と、具体的なゲーム体験とが微妙に食い違う。そんな不思議な感覚のゲームだ。ゲームデザインは、ごきぶりポーカーの作者(Jacques Zeimet)だと聞いて、「ほー」と妙に感心してしまった。(ちなみに、本作のアートワーク担当のJohann Rüttinger氏はゲームデザインにも携わっているようだ)


評価★★☆☆とした理由……アートワークの魅力が突出している。一方、「こう出すしかないかな」と思うことも多く、ゲームとして不自由さを感じることはある。ただ、仲間とのコミュニケーションが楽しく、嫌な息苦しさは感じない。ギリギリのところで色々な要素が綺麗に成立しているゲーム、という印象。

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