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2014年6月14日 (土)

【ボードゲームレビュー】シェフィ ★★★☆

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評価:★★★☆[3/4](1人プレイの評価です)

プレイ人数:1人

プレイ時間:20分


羊爆発。


簡単なゲームの流れ

  • ①手札は5枚。1枚ずつカードを出す。出したカードに書かれたアクションを実行する。
  • ②アクションには、自分のひつじの頭数を増やす良いアクションだけでなく、減らすような悪い効果のアクションもある。
  • ③手札を使うたびに山札から5枚になるよう手札を補充する。
  • ④山札の全てのカード(22枚)を使い切るたびに、最初は1匹しかいない『敵ひつじ』が10倍に増える。捨て札をシャッフルして改めて山札を作る。これを3回繰り返す。
  • ⑤敵ひつじが1000匹になる(山札を3回作る)前に、自分のひつじを1000匹に増やせれば勝ち。

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ゲームの総評

一人用カードゲーム。カードのイラストがとても魅力的でかわいらしい。一本一本の線が、ペンで描かれた時の躍動感をまだ持っているような雰囲気がある。シェフィが誰にでもオススメできるというのは、この温かみのあるイラストに拠るところが大きい。


では、ゲームとしての面白さはどうなのか。いや、これがとても面白い。手札は5枚。この5枚をどういう順番で出すか。言ってみれば、これだけがシェフィというゲームの「考える部分」である。


ポイントは「1枚手札を出すごとに1枚補充する」というところ。このシステムのおかげで一枚のカードを出したすぐあとに、違った状況が目の前に展開する。ずっと遠くまで見通して長期的な戦略を立てるというよりも、毎回変化するシチュエーションに合わせたその場その場の最適解を考える。だからこそ、かえって無理なく考えることができる。自分のアクションが長期的に見て正しいかどうか悩むことなく、とりあえず行動してみる。最初、こうした滑り出しで軽やかにゲームは展開していく。


しかし、すぐさま、クリア目標である「自分のひつじを1000匹まで増やす」なんて絶対に無理だ!と思うことだろう。あまりに高い壁が自分の前に立ちはだかっているように感じる。しかしゲームが終盤に進むうちに、段々とその目標も達成できそうに思えてくる。うまくいかず、たとえ負けてしまったとしても、最初の時と違って、目標の高さは全然違うものに見えているはずだ。悔しいので、もう一度やる。前回やってしまった失敗にすぐに気がつく。気づけるようなレベルにちゃんと成長している。おそらく、3、4回もやれば、多くの人は当初のクリア目標を達成できるだろう。


クリアしてしまえばこのゲームは終わりなのだろうか。まあもちろんそうとも言える。高得点を狙う遊びもいいが、一度クリアしてしまったら、ある意味終わりかもしれない。しかし僕は、このゲームを、しばらくしたら、また再プレイしてみたいと思う。クリアできることが分かっていても、再プレイしたいと思わせる魅力。シェフィにはそういう力が備わっている。それこそまさに、このゲームの実力なのではないかと思う。



評価★★★☆とした理由……一人用アナログゲームが宿命的に抱える課題は、それを所有していることの価値は何なのか、というところにあると思っている。その課題をシェフィは軽やかに越えている。パッケージを見て欲しいと思う人は、買って後悔しない。傑作。

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