【ボードゲームレビュー】Gods' Gambit ~神々の一手~ ★★☆☆
評価:★★☆☆[2/4](5人プレイの評価です)
プレイ人数:2~6人
プレイ時間:20分
神の一手は重い。
簡単なゲームの流れ
- ①色(スート)と数字の付いたカードを手札に持つ。
- ②カードを捨て札として出す(解消する)時は、カードに書いてある能力は使えない。
- ③自分の持ち場にカードを出す(使役する)時に、各カードの能力を利用できる。
- ④誰かが手札を全て出すか、特定のカードが4枚山札から引かれたら1ラウンド終了。
- ⑤使役して残ったカードと手札に残ったカードの数字が失点。3ラウンドして、最も失点の少ない人が勝ち。
ゲームの総評
基本ルールはUNO(ウノ)だが、自分専用の持ち場があり、そこにカードを出すことでカードの能力を使うことが出来る。UNOのように共通場に捨て札としてカードを出すこともできるが、その場合はカードの固有の能力は発揮できないところがポイントだ。
カードの能力としては、任意の相手の手札を増やしたり、順番を飛ばしたりする妨害・攻撃系カード以外に、相手の攻撃を無効化する防御系カードもある。
当然、単に捨て札として出すより、自分の持ち場に出した方がカードの特殊能力が使えて有利だ。しかし自分の持ち場に出したカードは、最後に失点として扱われてしまう。しかし、持ち場に出したカードの失点を解消できる支援系カードというものもある。このカードとセットで能力を使うこともできる。しかし失点を解消する一番の方法は、一番最初に手札をなくすことだ。一番最初に手札をなくすと持ち場に出したカードも失点にならない。早く手札をなくすことを考えるか、能力を駆使し相手に失点を重ねさせて追い込むか。色々と特殊能力があり、ややこしそうにも思うが、意外に考えるべきところははっきりしていて、分かりやすい。
このゲームをプレイすると、改めてUNOの楽しさとはなんだったんだろうということを考える。思ったのは、次々とカードを出して行くスピード感こそがUNOの楽しさだったのだろうということ。Gods' Gambitでは(特に初回プレイでは)UNOのようなテンポの良さはない。しかし、カードを出すたびに「むむっ……」と悩むのは楽しい。あまりに当たり前のことかもしれないが、本作はUNOとは違うゲームなので、違う楽しさなのだと分けて考えるべきなのだろう。
とは言え、インスト時にこのゲームを「UNOのようなゲーム」と言わないで説明するのもまた難しい。そしてこう言ってしまうと、「UNOのようなゲームの楽しさがあるのでは?」という先入観を初プレイ時に与えてしまうこともあるだろう。UNOのようなスピード感や気軽さがないことは、本来ならこのゲームの評価を低める要素ではない。しかし単純にUNOと比較してしまうと、このゲームを上手く味わうことができないかもしれない。
ゲーム体験は時にとても繊細だと思うことがある。しかし、様々なゲーム経験があり、経験値の高いベテランゲーマーであれば、早い段階でこのゲームの面白さを感得できるだろう。知識と経験は、色々なゲームを多面的に捉えるときの道具になる。ベテランというと、頭の固い人をイメージする人もいるかもしれないが、むしろ逆なのではないか。知識や経験こそが、ゲームを味わう上で「自由」を与えてくれる。逆に、経験値の低い僕などは「UNOのようなゲーム」という言葉に囚われてしまった。
「どのようにUNOに似ているのか」という観点よりも「どのようにUNOと違うのか」という観点でGods' Gambitには臨んだ方が良いのではないかと感じた。次は少し頭を切り換えて、もう一度プレイしたい。
評価★★☆☆とした理由……ルールが分かってくると面白い。ただ、一発目のつかみは弱いように思った。今後、更にプレイする機会もあるだろうと思うので、その際はまたレビューを見直したいと思う。
« 【ボードゲームレビュー】想像と言葉 ★★☆☆ | トップページ | 【ボードゲームレビュー】成敗 ★★☆☆ »
「ボードゲームレビュー」カテゴリの記事
- 【ボードゲームレビュー】インカの黄金 ★★☆☆(2015.11.28)
- 【ボードゲームレビュー】モダンアート ★★★★(2015.08.10)
- 【ボードゲームレビュー】アブルクセン ★★★☆(2015.07.25)
- 【ボードゲームレビュー】dois ★★☆☆(2015.05.02)
- 【ボードゲームレビュー】枯山水 ★★☆☆(2015.03.19)
この記事へのコメントは終了しました。
コメント