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2014年11月

2014年11月24日 (月)

ボードゲームレビュー一覧

★★★★ 何度もやりたい。大のお気に入り
★★★☆ おすすめのゲーム。傑作
★★☆☆ マジ面白い。
★☆☆☆ 悪くない。でも、何か足りない・・・・
☆☆☆☆ 面白くなかった

あくまで個人的な主観・感想です。雰囲気や体調や天気や気分により評価は変わるかと思います。明らかに評価を変えたくなった場合は、上げたり下げたりします。



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■その他のレビュー一覧

ボードゲームに関係するその他のものについて、レビューしてます。




【ボードゲームレビュー】バサリ:カードゲーム ★★☆☆

Basari_cardgame01


評価:★★☆☆[2/4](5人プレイの評価です)

プレイ人数:3~5人

プレイ時間:30分


宝石遊び。


簡単なゲームの流れ


  • ①山札からカードを一枚めくる。カードには、「人」「宝石」「得点」の三種類とそれらをどれだけ獲得できるかの量が書かれている。
  • ②各プレイヤーは「人」「宝石」「得点」のうち、どれが欲しいか、手元のカードを出して示す。
  • ③欲しいモノが他の人と被らなければ獲得できる。ただし、欲しいモノが他人と被った場合(=バッティングした場合)、手持ちの宝石を使い、交渉でどちらが獲得するかを決める。
  • ④各ラウンドの終わりでは、色ごとにその色の宝石を一番多く持っている人が得点を獲得する。
  • ⑤3ラウンド行って、最も得点を獲得した人が勝ち。

Basari_cardgame02

Basari_cardgame03



ゲームの総評

交渉はやはり面白い。もちろん一口に交渉ゲームと言っても、その面白さにも色々と特徴がある。バサリのそれはまさに「誰でも楽しめる交渉」というところだろう。


どういう点が分かりやすいのか。例えば、宝石を模したトークンの存在が、交渉を推し進めるモチベーションになる。宝石トークンを得ることの気持ちよさがとても直感的で、「何をしたらいいのか」と迷子にならない。プラスチックとは言え、キラキラと光る宝石を手に入れることの安心感。どう動きたいか、どう選択したいかが素直に発揮できるゲームは遊んでいても気持ちがいい。


また、どのような選択をしてもプラスになる点が素晴らしい。ある人は他人とバッティングしなかった自分の"読み"を讃え、ある人は交渉に勝ったことを歓び、ある人は交渉の結果手に入れた宝石にニマニマとする。そこに(本当は)優劣の差異があるのだが、その差異に気付かない楽しさがあり、そして、上手くなれば、その優劣の差異があることを理解することが楽しくなってくる。


以前、『宝石商』という本作のボードゲーム版を遊んだが、その時よりもなぜか楽しかった。これは僕自身の変化によるものか、それともカードゲーム版バサリの出来によるものか、はたまたプレイしたメンバーによるものか、正直よく分からない。ただ、今回プレイしたカードゲーム版バサリの方が、みんなの意識が1点に集中する「熱さ」があった。ゲームで生み出される熱量の総量はどちらも同じかもしれないが、それが集約されているように感じた。


色んな要素が雑然と組み合わされているようにも思えるが、プレイしてみるととても分かりやすく、後を引く楽しさがあるゲームだ。



評価★★☆☆とした理由……少しの時間で、気持ちのいいコミュニケーションがとれる。宝石の相場が分かってくる終盤は、交渉ゲームの持つ厚みのある楽しさが感じられて、ゲームプレイそのものがリッチになる。カードのアートワークやテーマなど、ゲームの周辺にあまり魅力がない点はもったいない。モチベーションが沸きにくいと感じる人もいるテーマだろう。

2014年11月13日 (木)

【ボードゲームレビュー】スカルキング ★★☆☆

Skull_king01


評価:★★☆☆[2/4](6人プレイの評価です)

プレイ人数:2~6人

プレイ時間:30分


未来が正確に予想できても勝てない。


簡単なゲームの流れ


  • ①全10ラウンド。ラウンドを重ねると開始手札の枚数が増える。1ラウンド目は1枚。6ラウンド目は6枚。10ラウンド目なら10枚の手札でゲームが始まる。
  • ②親から順番に1枚ずつカードを出し、一番強いカードを出した人がそのターン(トリック)の勝利者。全ての手札を出し終わったら、次のラウンド。
  • ③カードには4種類のスートと、切り札になる海賊カードが何枚かある。一番強いのは1枚しかないスカルキング。
  • ④ラウンドの開始時に自分が何回トリックで勝てるか予想する。勝利数と予想との差異は失点になる。勝利数と予想が合って、初めて点数になる。
  • ⑤全10ラウンドで最も合計点数の高い人が勝ち。

Skull_king02



ゲームの総評

自分の勝ちを予想するカードゲーム。スカルキングはそういう一風変わったトリックテイキングだ。ポイントは、一度も勝たなくても(トリックをテイクしなくても)最終的には勝ち得るというところ。だから、「自分が一度も勝てない」と正しく予想して、そして確実に負け続ければ、最後は勝てるかもしれない。書いてみると不思議だが、実際プレイすればとても分かりやすいし、何より盛り上がる。このゲームは非常にパーティゲーム的でもある。


スカルキングのこの独自性は「自分を予想する」ことにある。自分ではなく「他人を予想する」ゲームあれば、よくある話。競馬でも競輪でもトトカルチョでも、そういう予想は巷に溢れている。「自分を予想する」というのは、不思議だ。なぜなら「勝ち」が自分にままならないだけでなく、「負ける」ことさえ思い通りにならないことを意味しているからだ。スカルキングでは工夫して負けなければ、上手く負けることもできない。


最初、このゲームは自分の勝敗を「予想」するゲームだと理解した。これは決して間違いではないのだが、ラウンド数が進むにつれて、実はその「予想」は単なる予想ではないと気付き始める。「予想」を当てるだけでなく、勝つためには「より高い得点が得られる予想」をしなければならない。つまり「予想」は「目標」でもあるのだ。より高い目標を持つことが勝ちにつながる。


自分の手札を見て、自分の「勝ち」を予想する。予想した瞬間、その予想は「目標」へと変化する。より安易な目標を立ててしまうと、自分の得点は低く留まってしまう。予想に自分の勝敗を近づける、と言うと変な感じだが、目標に自分の勝敗を近づける、と考えれば自然だろう。よりリスクの高い予想は、よりリターンの多い目標でもある。大きな夢(予想)を持った奴が最後に勝つ。未来への展望こそが、既に配られ決定してしまった手札の価値を決める。こうした未来から過去という、通常の因果関係とは逆転したかのような影響の在り方が面白い。


安全で、確実な予想や推論だけでは勝てない。そんな山師的な雰囲気を漂わせるところが、スカルキングというゲームを豊かなものにしている。



評価★★☆☆とした理由……トリックテイキングというと、どちらかというと無機質なメカニクスをイメージするかもしれない。しかし、このゲームはどんな人でもプレイしやすいフレーバーに満ちている。素晴らしい作品。アートワークが一見すると、チープな印象を与えてしまう点が残念でならない(実際は、眺めているとなかなか味わい深いのだけど……)。

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