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2014年12月

2014年12月14日 (日)

【ボードゲームレビュー】ゼロ ★★☆☆

Zero01


評価:★★☆☆[2/4](4人プレイの評価です)

プレイ人数:3~5人

プレイ時間:20分


洗練のさきっぽ。


簡単なゲームの流れ


  • ①9枚の手札を持つ。カードには色と数字が描かれている。
  • ②共通場には5枚のカードを表にして置く。
  • ③手札にある数字は失点として扱う。色違いで同じ数字を複数枚持つと、失点は1枚分に抑えられる。また、同じ色を5枚集めると失点は0点になる。
  • ④手番では、共通場にあるカードと手札の一枚を交換するか、パスができる。
  • ⑤2回パスをするか、手札を0点にしたら、その回でゲームは終了。最も失点の少ない人が勝ち。

Zero02



ゲームの総評

セットコレクションという言葉がある。これはカードなどで、特定の数字や色やスートを組合せることを(主な)目標とするゲームの仕組みを指す言葉だ。マージャンなんかもセットコレクションゲームの1つだと言えるが、カードゲームやボードゲームではこの手の「特定の組合せ」が目標となっているゲームは多い。


特定のセットを作ることは、それ自体が面白い。特に最初はとんとん拍子に事が運んでいく。セットのうち、半分くらいまでは簡単に揃ったりする。しかし、終盤になると途端に足が止まる。最後の1枚、最後の1種類がなかなか揃わない。たいていのゲームはそう出来ている。


少し前に話題になったソーシャルゲームのガチャと同じ。セットコレクションには、それだけで、誰の射幸心をも煽る魅力が詰まっている。つまりは「面白い」ということだ。


『ゼロ』というゲームは、このセットコレクションの精髄だけをギュッと搾り出したようなゲームだ。シンプルであり、美しい。そして何より健全である。綺麗に揃い、失点ゼロとなった9枚のカードが揃った時、なんとも言えないカタストロフを感じる。このゲームを遊ぶと、つくづくクニツィアという人は凄いなあと、深く感心してしまう。


しかし、一方で、このゲームは微妙に人気が出ないのではないか、という気もする。なんと言ってもゼロを目指すゲームであり、ものが増えていくような興奮はない。加えて、ゼロを目指す以外の選択肢にあまりロマンがない。低く点数を押さえて、早めにゲームを切り上げる。そんな戦略があることも理解はできるが、そうした結末は、積極的に狙うには地味すぎる。そうした地道なプレイは、プレイヤーを一気に冷静にするだろう。ゲーム自身が持つ理知的な側面が、プレイヤーの興奮を鎮める。先ほど思わず健全と書いてしまったのは、そんなニュアンスを知らず知らず感じたからかもしれない。


このゲームに限らないが、「ものすごくよくできているな」という感想と、「地味だな」という感想を同時に感じることがある。表裏一体というか。いや、『ゼロ』はとても素晴らしいゲームだ。このルールを聞いた時には感動した。しかしそれでも少し立ち止まって考えてしまう。正しいゲームが面白いゲームへと脱皮する瞬間は何によりもたらされるのだろうかと。ただ、一周回ってこう考えることできるかもしれない。これだけ人を「感心させる」ゲームもそうはない。であるならば、そうしたルールの美しさを噛みしめることもまた、この『ゼロ』の楽しみ方の1つなのだろう。



評価★★☆☆とした理由……とても面白いのだが、ついつい巨匠に甘えて、高望みをしてしまう。ただ、誰でも楽しめる、という意味では、とても有用性は高く、そしてなによりもルールが美しい。

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